思うこと、を思わされる論述

語り手は、少年期にプロテスタント教会に通い、されど洗礼は受けず、大学でカトリック神学を学んだ。
宗教と言えばとかく忌避するか盲信するかのいずれかに陥りやすいが、語り手は流されずにありのままの自己と向き合い、考える。そこには静かであるが黙示録で警告されるような「なまぬるさ」はなく、研ぎ澄まされた刃物のような鋭ささえ感じられる。
キリスト教に限らず、思想に関心のある人には是非一読をお勧めしたい。