第1章

第1話 ここが、ニュートピアという世界だ

 ある日、東京都心にいる一人の少年にタビビトから手紙が送られてきた。

「ん?僕宛ぼくあてに手紙が届いている」

こう語るのは、名波ななみ響樹ひびき。周囲からヒビキという名前で呼ばれている十二歳の青年は、豊富な知識とずばけたひらめき力を備えた天才的な頭脳ずのうの持ち主だ。

「この手紙を受け取った君に伝えたいことがある。平和に満ちあふれていた大陸・ニュートピアは今、邪悪じゃあくな力を持つ魔王まおうによって滅亡めつぼうの危機にさらされている。そこで、君たちには選ばれし戦士としてニュートピアを守ってほしい。ニュートピアの未来がどうなるのかは君たちにかかっている。みんなを、クリスタルを、取りもどしてほしい」

手紙を読んでいると、

「うわっ!」

ヒビキは光に導かれてどこかへと飛ばされていく。

 その頃、

「ちゅぴ?今は誰もいない…」

チララは一足先にニュートピアにたどり着いていた。

「どれどれ…。ハミングタウンと書かれている」

チララが看板かんばんを読んでいると、

「あっ、誰かいる!」

ハミングタウンにあるおやしろの前に一人の青年が倒れている光景を目撃もくげきした。

「ちゅぴ!目を覚まして、ここはニュートピアだ!」

「はっ!」

チララが声をかけると、青年は目を覚ました。

「よかった、反応があって…。ところで、キミの名前を教えて」

「僕の名前は、名波響樹。僕のことは、ヒビキと呼んでほしい。よろしく」

「よろしくね。そういえば、名前はヒビキと呼ぶんだね。確か、空の国からやってきたような…」

「空の国?」

「キミたちが住んでいる地球のことだ。‎地球とは、‎‎人類を含む多種多様な生命体が生存する天体で、太陽系の惑星の一つである。太陽から三番目に近く、表面に水、空気中に酸素さんそを大量にたくわえ、多様な生物が生存することを特徴とくちょうとする惑星である。人類‎‎が住んでいる天体、つまり人類の足元にある天体のことである。 ‎‎地‎‎という字・概念がいねんと球という字・概念でそれを表現している。 英語やラテン語 など他の言語でも多くは大地を表す語が当てられている。 ‎‎日本語‎‎において、この星を呼ぶ名である地球という単語は、‎‎中国語‎‎由来である。 中国語の地球は‎‎明朝‎‎の‎‎西学東漸‎‎‎‎せいがくとうしんきに初めて見られ、イタリア人宣教師‎‎マテオ・リッチ‎‎の『‎‎坤輿万国全図‎‎』がこの単語が使用された最初期の資料である‎‎。 ‎‎清朝‎‎後期に西洋の近代科学が中国に入ってくると、‎‎大地球体説‎‎が中国の人々によって次第に受け入れられるようになり、球という単語が広く使われるようになった‎‎‎‎。 当時の新聞‎‎申報‎‎の創刊号には地球説に関する文章が掲載けいさいされている‎‎。 日本では、‎‎江戸時代‎‎頃にこの漢語が輸入され、一七〇〇年代‎‎頃の‎‎西洋紀聞‎‎や‎‎和漢三才図会‎‎に、使用例がある。 ‎‎幕末‎‎から‎‎明治‎‎期には、庶民しょみんも使うほどに定着した‎‎。 ‎‎地球は太陽系の惑星の一つである。 その形は、ほぼ‎‎回転楕円体かいてんだえんたい‎‎で、‎‎赤道‎‎の‎‎半径‎‎は六千三百七十八キロメートル‎‎ほどで、‎‎極半径‎‎は六千三百五十七キロメートルである。 その運動に着目すると、三百六十五日強で太陽の周囲を一周し、二十四時間で一回 ‎‎自転‎‎しており‎‎、太陽からの平均距離へいきんきょりは一億四千九百六十万キロメートルである。 ‎その内部は大まかに‎‎地殻‎‎、‎‎マントル‎‎、核の三部分から成っている。 地球全体の平均密度は一立方センチメートル当たり五グラムである。 表面は‎‎大気‎‎に覆われている‎‎‎‎。 ‎放射性元素による隕石の年代測定と、アポロ計画によって持ち帰られた月の岩石分析から、地球は誕生してから約四十六億年経過していると推定される。‎太陽系の年齢もまた隕石の年代測定に依拠するので、地球は太陽系の誕生とほぼ同時に形成されたとしてよい。 十個程度の火星サイズの‎‎原始惑星‎‎の衝突合体によって形成されたと考えられている。 太陽系内の惑星としては、太陽から二天文単位内の位置に存在し、岩石質外層と鉄を主成分とする中心核を持つ地球型惑星に分類され、太陽系の地球型惑星の中で大きさ、質量、密度ともに最大のものである。地球の形や大きさは、その使用目的によって必ずしも一意ではない。測量や地図を作成するときの基準としての地球を考えるとき、回転楕円体を想定する。この回転楕円体を特に地球楕円体という。様々な地球楕円体のうち、個々の測地系が準拠じゅんじょすべき地球楕円体を特に準拠楕円体と呼ぶ。国際的に最もよく使われている準拠楕円体はGRS80楕円体と呼ばれているもので、地球の形・大きさとして最もよく引用されている。現実の地球の形状をもっと詳細しょうさいに考えるとき、平均的な海水面を大陸にも延長した仮想的な形状を想定する。ジオイドは回転楕円体に近いとはいえ、地球内部の物質の分布が均一でないため、ずれが生じる。測地学では、地球楕円体とジオイドのちがいをジオイドの高さと表現する。地球表面は、天体間の引力、特に月による潮汐力ちょうせいりょくによる弾性だんせい変形へんけいで、常に数センチから数十センチの伸縮しんしゅくがあることに注意する必要がある。近代的な測量により最初に計算された地球楕円体は、ピエール・ルイ・モーペルテュイが公表した、北極圏内のトルネ谷における子午線しごせんちょうの測量結果によるもので、この測量結果と別途べっと実施じっしされていたフランスでの測量結果との突合により地球はへん球状きゅうじょうであると結論づけているが、測量誤差の影響のため現代の値より扁平率が大きく見積もられている。現代の値に相当そうとう程度ていどちかい結果で初期のものとしては、ジョージ・エベレストによるインド地方の子午線弧長測量によるものである。この地球楕円体構造で、地球の中心点からの距離きょりが最も大きいのは、中国とネパールの間にあるエベレスト山頂ではなく、南米のチンボラソ山頂である」

ニュートピアの住民は、地球のことを空の国と呼ぶらしい。そのうえで、

やみの力によって、ここの平和はうばわれてしまった。だからこそ、ボクと一緒にニュートピアをめぐる冒険の旅に出てほしい!」

チララはヒビキにあるお願いをすると、

「僕たちが平和を取り戻せるか、やってみないと分からない。当然のことながら、しっかりと受け入れる」

ヒビキは決意表明しつつこれを承諾しょうだくした。

 すると、

「ちゅぴ!」

「力が、みなぎる!」

チララとヒビキの間に、不思議なエネルギーを感じた。そこから、何かが出てきた。

「これは?」

「魔法の筆。キミが技を出すために必要なものだ」

それから、チララはヒビキに何かを差し出す。

「あと、契約けいやくの証であるサファイアのマジカルジュエルだ。これで、魔法が使えるようになるよ。サファイアは、言葉の由来は青色を意味するラテン語のsapphirus、ギリシャ語のsappheirosである。コランダムの中で宝石ほうせきとしての価値があり、赤色ではないものをいう。不純物の違いでい赤色のものはルビーとなる。青玉という名のように、濃紺のうこん青紫色あおむらさきいろをしたものと考えられているが、濃い赤色以外の様々な色、たとえば黄色や茶色、薄紅色うすべにいろなどのものもサファイアである。工業用に生産されるたん結晶けっしょうコランダムもサファイアと呼ばれる。ミッドナイトブルーサファイアとして流通するサファイアがあるが、インクブルーサファイアの色合いを呼び変えたものだ」

「本当に僕のものでいいのか?」

「そう!」

「ありがとう」

こうして、ヒビキは闇の力と互角ごかくに戦えるという魔法の筆とサファイアのマジカルジュエルを手に入れた。

 すると、

「お社から光が!」

「ちゅぴ!」

「わっ!」

チララとヒビキは、お社からの光に導かれてどこかへと飛ばされてしまったのであった。

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