8-マンドレイクの薬草園



【GM】  :というわけでこれから薬草園ですが、馬車は入らないのでリスラムは入り口のところで待っているよ。なので4人だけで薬草園に入ります。

薬草園は森の中にあって、防犯のために高い柵で囲われているよ。


メルリル :どうしようか。マンドレイクを抜きに行くか妖精剣士を探しに行くか…。


ティア  :個人的には……ミリカの管理帳が気になるかな。先にそこを調べたい。


【GM】  :Bの管理小屋にあるやつね?


ティア  :ティアはいまミリカを全力警戒してますので!


メルリル :ミリカさんふつうにいい人そうなのになぁ。


【GM】  :ミリカはせっかちなメリアだよ。



**********


ハクマ  :「(悩んだ顔をしながら)……あーあの、みんなに聞きたいんだが……ミリカと話しててずっと気になってたんだけどさ……オレたちより前にきた妖精剣士に会ってないって言ってただろ?」


メルリル :「そうですねえ」


ハクマ  :「いくら家にずっといないからって、ギルドから派遣された人間が彼女に会わないままこの森でマンドレイクを採取するなんてことありえるのか?」


メルリル :「ふつうはありませんねえ。ですから、もしかしたらここに来るまでになにかあったかもしれません。実際オーガも出てきましたし。オーガが二体や三体もでてきたら、いくら高レベルの冒険者でも…」


ティア  :「ま、メルリルさんのおっしゃる可能性もあり得るでしょうね。でも、あり得る可能性を全て検討するなら――ミリカさんが隠してる可能性もあるってことをハクマさんは言いたいんじゃないんです?」


ハクマ  :「そうそう、そういうことだ! さすがティアだな!」


ティア  :「あと、ミリカさんがギルドからの冒険者をあんなに拒否する理由がよくわからないんですよね……」


リュシアン:「そこまで気になるのであれば。マンドレイクを抜く土仕事は僕がするので、ティアさんはメルリルと一緒に小屋に……」



**********



ティア  :いや、PLとしていうけどその組み合わせはアウトだよ!? 前衛と後衛をわけちゃうのはよくないよ!? ティアは管理小屋に行くけど、さすがに後衛二人はマズイ。


メルリル :戦闘面でいうなら、リュシアンとティアならどっちもスカウトがあるから先制値抜きやすいっていうのはあるかな


ティア  :GM、確認です! この薬草園って、Bのエリアに行って帰ってくるのにどれくらい時間かかる?


【GM】  :うーん。そこは一時間くらいかかるかな。

なんでかっていうと、まず、私はマンドレイクの畑についていろいろ考えたんですよ。マンドレイクについてめちゃくちゃ思考汚染されてた時期があるからな!


マンドレイクの畑は、マップでは縦長の道から、右にあるAのエリア一つしか描かれてないんですけど、本当はもうちょっと区分けしてるんです。

例えば30本マンドレイクがあったとして、30本のマンドレイクの金切り声聞きたいか? 聞きたくないよな? と思ったわけだよ。


だから、縦長の道に対して、10本くらいのマンドレイクの畑がAの横にA1、A2、A3…って並んでるイメージ。

それぞれのマンドレイク畑を小さくして、畑同士の距離をあけて、大量のマンドレイクの悲鳴を聞かないように工夫しているんですね。


だから、薬草園自体は縦に長く伸びて、それぞれのエリアに行く小道があります。そういう事情もあって、ひとつのエリアに行くならそこそこ時間かかるかな。


ティア  :でも一本抜いて全部のマンドレイクが出てきたりしないよね?


【GM】  :そこなんだけどね。魔物データに書いてあるんですが、こいつら、土から出てふらふら歩くことあるのよ。


ティア  :あー…でも悲鳴って傷つけられたらだよね? 基本的に傷つけなければ金切り声を発生しないと考えていいよね?


【GM】  :基本はね。ただまあ30mの範囲に響き渡るからさぁ。マンドレイクの悲鳴が他のマンドレイクに聞こえるのではないのかとか他のマンドレイクにわらわらこないとは限らないのではないのだろうかと…


ハクマ  :マンドレイクは耳ないんじゃないのか?植物だから


【GM】  :そこも難しい問題なんだ! 例えばさ…


ティア  :(GMのマンドレイク考察をぶった切る)OK、とりあえずAは小さめのマンドレイク畑、Bは管理小屋。Cは……。


メルリル :また別の畑があるって言ってたね。


ティア  :つまりCエリアが奥ってことだよね? よし。ひとまずCのエリアは置いておこうか。一時間程度なら、Bに行って調べてから合流でもいいかな。



**********



ティア  :「ま、道具とか必要かもしれませんし、あたしは管理小屋のほうに行ってきますよ。まあ最悪、あたし一人のほうが動きやすいっていうのもありますけど」


リュシアン:「さすがにティアさん一人では…」


ハクマ  :「それに盗賊とかでるっていってただろ?」


ティア  :「そうなったら、『姿なき職人』で姿を隠しますよ。だからあたし一人のほうが楽といえば楽なんです」

(※GM注:レプラカーンは『姿なき職人』を使い、簡単に言えば透明になることができる。コンシール・セルフと同じ効果)


メルリル :「そうですね、ティアさんなら、姿を隠して逃げることもできますが……もしも自分より上手の敵だった場合、一人だったら危険です。あまり自分の力を過信しすぎないことですよ。隠れるまではあなたは普通の人間と変わらないんですからね!」


ティア  :「……で、結局どうするんです?」


リュシアン:「それじゃあ僕がついていきます。前衛職一人がいたら安心でしょう?」



**********



【GM】  :それじゃあティアとリュシアンはBの小屋に行くということですね。メルリルとハクマはどうしますか?


メルリル :ハクマさんと一緒にAに行くかな。マンドレイクの畑。


【GM】  :え、二人でマンドレイク抜くの? GM的には4人で小屋に行ってもいいと思うけど…


メルリル :うーん。個人的に一緒に行ってもいいと思ってるんだけど……とりあえずマンドレイクの様子見にいくだけかな。


【GM】  :マンドレイク抜くなら戦闘あるよ?

だから高ランクの冒険者に依頼を出してるわけですしね。レベル5の魔物ってそこそこ強いし。まあミリカが危険だよ? っていうのは普通のことなんですよね。危ないもん。


ティア  :でもね、ミリカそれ以外の発言がすべてあやしいんだ


ハクマ  :さすがに二人で戦闘はなぁ。あと盗賊が出るんだっけ?


【GM】  :この薬草園は高い柵で囲われてて、魔物ははいってこないけど、ここがマンドレイク畑って知っている盗賊ならマンドレイクを盗みに来ることもあるよっていう感じです。


ハクマ  :ま、昼間に盗みにくる盗賊はいないだろ!(謎の自信)



**********



ハクマ  :「この森の入り口付近でほいほいと盗賊でるわけないだろうから、メルリルとオレの二人で先にマンドレイク見に行くか?」


ティア  :「なによりあたしたちの仕事は、マンドレイクを抜くことよりも、行方不明になっている妖精剣士の探索ですよ」


リュシアン:「じゃあ決まったようであれば、先程の二人で行動しましょうか」


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