1-冒険者ギルドでの優雅なる朝食



 キャラシも作り終え、ついにセッション本番日をむかえます。

 GMはSW初GM、しかもテストプレイなしのオリジナルシナリオということで最初だいぶ緊張していました。


 ですがそこのところもみんな知ってくれているので、芸人さんが「気楽に楽しんでやろう!」と言ってくれてだいぶ肩の荷がおりました。

 私には頼れる仲間たちがいる。だから今回の冒険(シナリオ)もきっと乗り越えられる!

 そう信じて、セッションをスタートしました。



 ……………………ここだけ見るとすごくいい場面ぽいですね? いい人たちっぽいですね?

 だけど一番容赦ないのは……PL(芸人)さんなんですよ………………。





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【GM】  :本日は集まりいただきありがとうございます。今回のシナリオは、カクヨム公募用SW2.5リプレイ小説用のためにつくったオリジナルシナリオです! 

それではさっそくですが、みなさんPC紹介をお願いします。



PL(芸人)→

ティア  :はいみんな大好きティアです! 1ターン目でバフを四回配れたらいいです以上です。

(※ティアはキャンペーンで芸人さんが使っているPCなので、キャラの背景や職業はキャンペーン参加者は知っている)


【GM】  :説明あっさり! まあティアだもんな。

今回もスカウト技能とアルケミスト技能で探索やサポートで活躍してくれるでしょう。えー、構築はファストアクションと連続腑術で、アルケミ技能を4回……。こわいわあ……。

よ、よろしくお願いします。


PL(エルフ)→

メルリル :みなさんこんにちは。メルリル・エルレイア、妖精神アステリアを信仰している敬虔なプリーストです。


【GM】  :すごくまともそうなキャラが来たぞ! 純プリーストだ!

女キャラだよね?


メルリル :女です。


PL(D弱)→

リュシアン:リュシアンです。メリアの短命種です。ファイターLv9で、味方をかばう盾型です。よろしくお願いします


【GM】  :冒険者レベル7くらいっていう話どこにいったぁ!?

男でいいんですよね? あとメルリルとおそろいの耳飾りをつけてるんだよね?


リュシアン:男です、つけてます。


GM:はい、了解です。よろしくお願いします。


PL(天然)→

ハクマ  :ハクマです。えーとなんだ? なにしゃべってたっけみんな? 名前は……ハクマ・エミシで……種族はリカント(獣人)で、リカントのなかでも珍しくオコジョ。グラップラーで、3回連続攻撃で敵をかくら…かく…かくなんとかしようと思います。よろしくお願いします。


【GM】  :かくなんとか…は攪乱って言いたかったんだね…? …知力ボーナス3もあるのホントか?

ハクマって男キャラなんだよね?


ハクマ  :オスでーす!



【GM】  :みなさんありがとうございます。


今回の物語はアルフレイム大陸のウルシラ地方を舞台にします。

ウルシラ地方はアルフレイム大陸の右上。

ウルシラ地方は簡単にいってしまうと、エルフとかメリアがたくさんいるよ!みたいなところ。

あんまり魔動機術とかそういうのが進んでいない、魔導列車があるような地域ではない、森とかが多いよっていう地域だと思ってください。

メリアやエルフの氏族や国があります。


そして……今きみたちがいるのはこの国じゃ!

ハールーン魔術研究王国!

君たちはここの冒険者ギルドにいます。

ウルシラ地方のなかでは交易もしてて、珍しくレプラカーンも暮らしてる国だよ、っていうこと。


それでは、シナリオ『命短し恋せよメリア』をはじめていきます。


冒頭は――みなさんが登場するギルドでのシーンからはじまります。



***********


ハルール王国の、とある冒険者ギルド。

そこに四人の冒険者パーティーがいる。


ひとりはエルフのプリースト、メルリル。金髪の髪をたずさえ、エルフらしい美しい顔立ち。落ち着いた造作は彼女が神官として真面目につとめていることがわかるだろう。しかし、装飾品が少ない彼女なのに、片耳にだけ、エメラルドの耳飾りがついている。


ひとりは穏やかな笑みを浮かべた青年、リュシアン。一見ただの人間に見えるかもしれないが、よく見ると彼の身体の一部に花が咲いているのがわかるだろう――メリアだ。そばに盾を置いてあり、彼が前衛職であることはわかるだろう。そしてその片耳には、エメラルドの耳飾りがついている。


ひとりはオコジョの獣人、ハクマ。眠そうにしていたが、すぐに持ち前の元気と明るさを朝から目いっぱい出している。明るく無邪気に強気で元気、そんな若々しい獣人の少年だ。


ひとりは小柄な少女、ティア。長い兎のような耳をもったレプラカーン。腰にはアルケミーキットをさしている。美少女といってもいいだろう。品のある顔立ちはもしかしたらただの平民ではないかもしれない。けれど、今は気だるげにあくびをして、快活な性格も眠気には負けているらしい。



***********



【GM】  :と、いうわけで皆さん冒険者ギルドにいるんですが、とりあえずみなさんのPCの性格の感じをつかみたい――ので、ギルドの朝食の会話でもしてくださいどうぞ!!!(無茶ぶり)




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ティア  :明るい声で少年――ハクマに話しかける。

「いやーご飯なにがいいですかねー! ハクマさんほら朝食買ってきてくださいよ」

堂々と明るい声で宣言しているが、内容はひどい。


ハクマ  :困惑気味に「ええっと……オレが買って……くるんですか……」



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【GM】  :無茶ぶりに即対応したRPしてくれるの嬉しいが……え、同じパーティーなんだよな?


ティア  : ハクマは舎弟です(キリっ)


【GM】  :しゃてい



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ティア  :「ほらお金はあげますから」そう言って自分より多めのお金をハクマに渡す。


ハクマ  :多めに渡されたお金を確認して、自分の分+駄賃分が含まれていることを察する。「そういうことなら買ってきますよ。何がいいですか?」


ティア  :「そうだなあ……竜の卵!」


ハクマ  :「竜の卵は……ちょっとこの金額じゃ……。コカトリスの卵くらいなら……?」

(※GM注:コカトリスもキツイです)


ティア  :「コカトリスの卵とってきてくれるんですか、さすがハクマさん!」


メルリル :二人の会話を割り込むように話しかける。

「ほらほらハクマさん、お仕事するのに早死にするなんて困っちゃいますよ」と言って、ハクマの肩を持つ。

「ティアさんもあまり意地悪しないでください。ハクマさんも困って……(といってハクマの様子を確認をする)あんまり困ってなさそうですね」と肩に置いていた手を離す。

「たいがいにしたくださいよまったく。この子バカなんですから。早死にしちゃいますよ」とティアに少し怒る。


リュシアン:三人の賑やかな様子を見ながら穏やかに

「そうですよ。それに今は朝食の時間なんですから座って。せっかくだから楽しみましょうよ」


メルリル :「リュシアンは何を食べますか?」


リュシアン:「朝はあんまり食べられないので、僕は目玉焼きにします」


メルリル :「そうですねえ、じゃあ私も卵つながりでフレンチトーストにします。」


リュシアン:「これからクエストにいくんでしたっけ?」目玉焼きをもぐもぐしながら。


ティア  :呆れた調子で「ギルドに行って、いいクエスト見つけてくる流れですね。って、いつもと同じじゃないですか。もう忘れちゃったんですか? リュシアンさん」


**********



【GM】  :ハクマは本当に舎弟キャラで行くの? いいの?


ハクマ  :ええ? 舎弟ってどっちがどっちの? なんだ?


【GM】  :あなたがティアの舎弟ってことになってますよ。


ティア  :舎弟です

(※GM注:この後もキャラの設定を次々にはえていったのは大体この人が犯人です)


【GM】  :そ、それじゃあ導入NPCとしてどこかのメリアのリスラムを出します。

ただのリスラムでただのメリアでただのフェアリーテイマーの冒険者です。

(※GM注:リスラムはキャンペーンでGMのPC。本セッションではただのNPCです)



**********



リスラム :一見女性かと見間違える、中性的で柔和な表情のメリアの男性が4人に話しかける。

「みなさんおはようございます。今日もいい朝ですね」


メルリル :「あっ、リスラムさん。おはようございます。お久しぶりです」といってお辞儀する。


ティア  :「あれ!? あなたはお酒欲しさにギルドを抜けたリスラムさんじゃないですか」

(※GM注:ティアはキャンペーンでリスラムと同じ冒険パーティー)


ハクマ  :「まさか……こんなところまでお酒を調達に?」


リスラム :「待ってください! みなさん、僕のことを酒乱か何かと思ってるんですか!?」


ティア  :「え、ちがうんですか?」


リスラム :「いや、僕が依頼のついでにお酒を買ったりするのは、妖精にあげると喜ぶからですからね!? 酒乱なわけではないですよ!?」


リュシアン:「すみませんね、うちのパーティーが。申し訳ない」


ティア  :「もーリュシアンさん、そんないつもお酒もらってるからってそんな優しくしなくていいんですよ?」


メルリル :「そ、そうなんですか!? あなた寿命短いんですからほどほどにしてくださいよ!」ってリュシアンにちょっと怒る。


リュシアン:「酒はたしなむくらいですよ? それに酒を飲んだくらいで寿命はそこまで変わりません」とメルリルに安心させるように話しかける。


ティア  :「そんな毎日樽一杯分飲んでたら寿命縮まりますってー!」


リュシアン:無視してリスラムに申し訳なさそうに「こんな人たちですみませんね」


リスラム :「人の話を真面目に聞かないっていうのは知ってますよ」と苦笑い。


リュシアン:「ええ本当に……」困ったように溜息をつきながら「彼も苦労しているようですよ。ねえハクマさん」


ハクマ  :「ん? オレか? まあ苦労してると言えば苦労してるけど……オレに被害がなければ、いいかなっ!」


リュシアン:「さっきあなた竜の卵買いに行かせられそうになってませんでした!?」


リスラム :ふと思い出したように「ああ、そういえば……ギルドマスターがあなたたちを探してましたよ。何の話かはわかりませんけど、あとでギルドマスターのところにいくといいんじゃないでしょうか」


ティア  :「ギルマスねえ……。まーた変な厄介ごとが舞い込んでこなきゃいいんですけど……」


リュシアン:「まあ今は手持無沙汰でしたし、僕はいいですよ」


ティア  :「そんなこと言ってどうするんですー? 盗賊団のアジトいって殲滅しろ!! みたいなクエストでたら。めんどくさいったらありゃしませんよ」


メルリル :「そうですねえ。そんなに大きな盗賊団だったら冒険者よりお国に頼むのが妥当というところでしょう。私たちがムリする必要はありません。

特にハクマさんリュシアンさんは早死にしそうですからね」とちょっと心配そうにハクマ…ではなくリュシアンを見る。


リュシアン:「大丈夫ですよ、ほら顔色だってこんなにいいでしょ?」


ティア  :「え、もしかして、こんな朝からお酒飲んでるんです?」


リュシアン:「ええ、今もほら、ちょっとだけ」とグラスを持ち上げる。


メルリル :「その一滴が命の駆け引きの致命傷になるんですよ!」



**********


ティア  :はい! 今リュシアンが飲んでるお酒の度数を1d100で決めます。……(コロコロ)18!


【GM】  :18度ならワインくらいじゃない? というか、初めてのダイスふりがアルコール度数を決めるために使われたよ……。



**********



メルリル :「なに飲んでるんですかー!」


リュシアン:「えっと……ブドウでできた、飲み物の……ぶ、葡萄酒ですかねっ!」


メルリル :「ほどほどにしないと怒りますからね! それにいまからギルマスのところに行くんですよ? お酒くさかったらギルマスに怒られますよ」


ティア  :「(呆れ気味)ギルマスもいつもお酒飲んでるじゃないですか。似たようなもんですよ」


メルリル :「ううううーー。それでも節度は大事だと思うんです!」


ハクマ  :「葡萄酒だろ? 水と同じだろ?」


ティア  :「メルリルさんは真面目だなあ」


メルリル :「私はもっと自由に生きたいんですけど……みなさんが勝手すぎるんです!」


ティア  :「まあ、朝食も終えたことですしギルマスのところに向かいますか!」



**********



【GM】  :えー。では、朝食を終えてみなさんギルマスのところにきてくれるでよろしいだろうか?

それでは次のシーンはギルマスの部屋です。



(※GM注:ギルマスが酒好きなんていう性格は一言もなかったんですが、見事ティアに性格を生やされました。リュシアンが酒好き設定になったのも大体ティアのせい)

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