六本目 這いずる

 仲間と溜まり場を探していた時だ。

山の外れに荒れ果てた神社を見つけたんだよ。

人は来ねえわ腰を下ろしても汚れねえわでいい場所だった。

社殿に腰掛けてタバコ蒸してた時によ手をついたんだがついた手には全く埃もついてないしその時はマジでいい場所を見つけたと思ったね。

だが考えてみれば朽ちかけの社を放置して雑巾掛けか?

おかしいよな。

後で考えてみりゃあ神社は神様のための住まいだから力のある場所に建てられるんだろ。

そこが人も訪れない空き家なら住み着く奴は神様の居ない隙を狙ったよくないものに決まってる。

非行はやめたよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る