第3話 生命の樹と物質世界

 生命の樹とは、人間を覚醒し、神人へと至らしめることを示していることです。

 それは、箱庭という入れ物で人へ果実が入り、上へと向かって、螺旋を描きながら上昇する、そして、頭の中心である松果体の覚醒が起こり次元を上昇することです。


 生命の樹は、三本の柱とも表され、その左右に陰陽を表しています。


 キリスト教世界、それ以外にもその存在はあります。

 人の覚醒は、仏教世界においても同じ構図であることがわかものがあります。

 それは、仏像です。

 如来もまたその象徴であり、その如来像の左右に陰陽を表す菩薩像があるのです。

 これが如来を中心とした三柱であり、その左右の菩薩の名には、片方にだけ日の部首が入っていることからしても、それを表すことが解ります。

 薬師如来はとても分かりやすく、薬師如来を中尊とし、日光菩薩を左、月光菩薩が右にあるのです。

 これら菩薩の名は、日光と月光となり、陰陽となっていることが分かります。

 如来は、ハスの上に座り、頭部からは後光をさしています。ハスは入れ物であり、頭部からに後光は覚醒を表すもので、額の白毫相は、第三の眼です。


 如来とは「真理を悟ったもの」という意味であり、仏教の目標となる「悟りを開いた状態」。仏教徒は、如来と同じところへ行くために修行をし、如来は仏教徒のお手本となっています。


 如来とはお手本であり、それを見て、自身で覚醒に至れとの意味であるのです。


 悟りの境地は、無であり、無とは物質から離れた精神世界を指すものとすれば、無へと至る仏の教えは、やはり、人間の覚醒を示すのだと解釈できます。

 僧侶の坊主頭また覚醒を表すのものであり、修行を終え、仏へと近づく事を現すのであります。



 生命の樹は、古代シュメールで生まれ、それが、メソポタミア、バビロンとなり、東西に伝わっていきました。

 メソポタミアとは、現在のイラン、イラクであり、イランとは、ペルシャです。


 東へ向かったシュメール文系は、アーリアとなり、インドゥそして仏教へと伝わります。


 西へは、エルサレムへと向かい、キリスト教へと変わりました。


 シュメール神話では、エンキとエンリルによって人が作られ、人に知恵を与えたのは、エンキです。

 エンリルによって、人々が大洪水で殺されそうになり、それをエンキは、方舟に乗せて助けたのです。

 このシュメールの創世記と、キリスト教の創世記と大きく一致するのは、元々は、シュメールから伝わったものであるを示しているのだと、推察することができます。


 キリスト教となった生命の樹は、セフィロトの樹となり。

 生命の樹を模したものが十字架、十字架は人。それは、イエスが覚醒してキリストのとなた事を示しめしているのです。

 イエズス会の宣教師であり奴隷商人のフランスシコ・ザビエルの頭は、剥げているのではなく、剃っているのであり、その意味は覚醒なのです。


 同じような構図を持つ仏像も同じでした。仏は、人の覚醒のお手本です。

 そして、キリストもまた覚醒へのお手本なのです。


 エジプトにもアンクがあります。

 アンクとは、現世と来世の間にある「境界」を無事に越えるための、通行証であるとされるもので、来世とは彼岸であり、あの世です。

 つまりは、神の世界へ行くことを示すもので、人の覚醒です。

 アンクは、覚醒であり、やはりその形は生命の樹と同じ物を模っていることはすぐに分かるのです。



 人の覚醒が神へと至る道であると解釈して、神道とすれば、それもまた生命の樹と同じものでした。

 出雲大社や、伊勢神宮には、心の御柱があります。それもまた三本柱なのです。

 正面から見た構造は、生命の樹であり、発掘された、古代の出雲大社のその上から見たときの柱の位置は、申の字になっているのが解ります。

 これが、生命の樹と同じものを現しているのです。

 かつて、出雲大社には、蛇神がいました。

 出雲大社の蛇神を見てください。三宝の上に蜷局を巻いた蛇があります。

 この構図は鏡餅です。


 鏡餅とは、白蛇を模したものであり、三宝に白い餅と果実です。これは、戸愚呂を巻いた白蛇が果実を持った構図であり、まさにエデンの出来事そのままです。


 他にもあります。

 神社へ参拝をするとき、鳥居から入ると狛犬があります。

 左右の狛犬は、阿吽といい、片方は、口を閉じ、片方は、口を開けており、その口にあるものは、珠です。


 阿吽とは、「あ」から「ん」の言霊をあらわし、物事の真理です。

「あ」の陽、「ん」の陰であり、陰陽をあらわしているのです。


 神社が神域、エデンであり、狛犬が二本の柱であるならば、柱は蛇です。その狛犬の口にある珠は果実、珠を咥えた狛犬は、果実を咥えた蛇だということになり、これらは、まさしくエデンの再現であり、人の覚醒です。


 勾玉、剣、鏡の三種の神器もまた同じです。玉は果実、剣は幹である人。鏡が入れ物であり、人の覚醒に必要なものです。

 神社の御神体は、鏡もしくは三種の神器の入った箱であります、ですが、実際には箱の中には恐らく何も入っていません。

 つまりは、これら三種の神器は、自分自身の中にあるものであり、それらを自身で実践することを示しているのです。


 人の覚醒とは自身で実践し、神へと至るものであり、仏や十字架がそのお手本であるように、生命の樹は人それぞれの中にあるものです。

 よって、三種の神器は自分自身なのです。


 鏡餅が何故、「鏡」というのかも、これでわかったと思います。


 シュメールの文明が、日本にまで伝わった結果かどうかは、分かりません。

 ですが、偶然とは思えない一致がありました。

 狛犬の片方は獅子であり、日本にライオンはいません。もちろん中国にもいません。

 ライオンの生息地はアフリカからインドであり、そこからの伝来であることは、間違いありません。

 これらのことから、生命の樹の伝承が一緒に伝わっていても不思議ではないのかもしれません。

 しかし、出雲大社は紀元前の建造物であり、心の御柱の存在は単なる文明の偶然の一致ですませるのでしょうか。


 これについて例があります。南米がマヤ、アステカ文明です。


 南米は、イエズス会の奴隷商人であるコロンブスがアメリカ大陸に到達するまで、ヨーロッパとアフリカにその存在は知られていませんでした。

 当然そこにある文明の存在は、知られていません。

 そこにピラミッドがありました。

 マヤのククルカンのピラミッドです。

 このピラミッドには特殊な細工がしてありました。それは、春分と秋分、その日は、特別な日となります。片側から日光があたり、左右の壁面は陰陽と分かれます。そして、正面の上へと昇る階段の縁には、太陽の日差しによって蛇が現れるのです。

 この蛇は、ケツコアトル。羽毛の生えた蛇といわれ、この蛇神こそ、人々に火と文明をもたらした神なのです。

 羽毛は、翼の存在を暗喩するのであれば、覚醒を比喩しているものであるとの確証を得ます。


 アダムスは果実によって覚醒し、人となりました。

 知恵の持たないアダムスは、文明を築くことなど出来ない存在でした。

 アダムスに知恵を与えたことが、文明のはじまりなのです。その知恵をもたらしたものは蛇であり、同じくマヤに知恵をもたらしたのも蛇だったのです。


 此処に奇妙な一致がありました。


 そして火の漢字もまた生命の樹を象形しています。左右に柱、まん中に人(十字架)です。


 エデンの園の漢字に注目してみます。

 園の中に、土、口、衣が存在しています。土は元々、人の象形文字であり、土の人です。

 神は土からアダムスを作り、アダムスが知恵の果実を食べたことに気づいた理由は、局部を隠していたからです。つまり、知恵を得たことで衣を纏いました。

 園の字は、大きい口は箱、小さな口は果実であり、土の人が果実で服を着るという字となり、箱庭の出来事そのままです。


 漢字を作った中国において、最初の人間は伏羲と女媧です。

 その姿は蛇の姿です。

 さらには、大洪水で死にかけたという神話は、創世記とノアの方舟を彷彿とさせます。

 その手に持つものは、コンパスと定規であり、この二つは、文明の建造物に欠かせないものでありました。

 最初の建造物とは石です。

 コンパスと定規とは、これらを建造するために必要なもので、それは、石屋の道具であり、文明の発達に大きく寄与した発明です。

 つまり、コンパスと定規は知恵であり、その知恵の象徴をもつ伏羲と女媧の姿は蛇です。


 ここにも奇妙な一致があったのです。


 石の建造において、重要なものは、これだけでは在りません。

 ピタゴラス定理です。

 日本では、古来から三四五さしごと言われるものであり、三平方の定理のことです。

 この直角を求める定理の発見が文明の発達に大きく寄与させました。


 かつて人型は、あの世で生まれ、覚醒し、人間となり、物質世界で文明を形成しました。

 文明の象徴は、知恵であり、物質世界そのもです。

 コンパスと定規、火、三四五とは、物質世界を象徴するものであり、物質世界のことであると言えるのです。


 三四五と聞けば、ひふみ神示の三四五(みよいず)を直ぐに連想できます。

 一二三がエデンの世界であるなら、エデンからの覚醒は、三四五の物質世界です。そうして、現在が三四五であるなら、そこから覚醒した世界とは、やはり、五六七とは神の世界のことです。

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