第21話 かみとのゴッドトーク
神(自称)から投げかけられた、確認の問いかけ。
それを見て思わず頭を抱えてしまった俺を、いったい誰が責められるというのだろうか。
なんだか頭が痛くなってきたところで、またもやピコンと音が鳴る。
指の隙間から机に置いたスマホを見ると、そこには新たなメッセージが刻まれていた。
かみ:ねぇ届いたー?
いや、フランク過ぎるだろ。
仮にも神名乗ってんのに、その距離感はどうなんだ。
威厳もクソもなくなってるんだが?中の人が出すぎだろ、それはダメだろ。
脳内でツッコんでいると、チャットルームにはさらに次々とメッセージが打ち込まれていく。
かみ:既読ついてるんだから見てるよね?
かみ:無視するなよぅ。反応してよぅ
かみ:ねートウマちゃーん。こらー
かみ:ぷくー
うぜぇ。シンプルにうぜぇ。
かまってちゃんかお前は。こんな神様、俺は嫌だぞ。なんていうめんどくささだ。
一気にアホらしくなってしまうが、これ以上この神(自称)の好き勝手にされるのも癪だったため、嫌々ながらもスマホを手に取ることにした。
とーま:届きましたよ…
かみ:あ、良かったー。やっぱ見てたんだ。もっと早く返事してよー
さっきまで神様のおかげで頭抱えてたんだよ。ていうか、また頭抱えそうだよ。
とーま:すみません。色々あって…ていうか、その…
なんでアイコンが神(紙袋)なんだよ…
そう言いたい。すごく言いたい。
かみ:ん?どうしたの?
とーま:いえ、なんかすごく独特なアイコン使ってますね…
なんでまた紙袋被ってるの?なんでピースまでしてるの?
それ、明らかに自撮りだよね?気に入ったの?どんなセンスしてんの?
そんな疑問が次々と湧いてきたが、遠まわしにそれとなく触れるのが、俺にできる精一杯のことだった。
かみ:あ、これ?えへへ、可愛いでしょ!我ながら上手く撮れたと思うんだよね!
正気か?おい、正気なのか。
お前、それはダメだろう。その姿を可愛いって、それはダメだろう。
お前、自分のこと可愛いって言ってたじゃないか。
紙袋被った自分すら可愛いというのなら、それはもうナルシストってレベルじゃないぞ。
もしくはどんな姿になろうとも自分は美少女だという全能感に溢れているとでもいうのだろうか。
とーま:そ、そっすか。うん、確かにそんな気がしますね
触れたくない。うん、このことに触れるのはやめよう。
お茶を濁して誤魔化すのが一番だ。俺は考えるのをやめた。
かみ:えへへ。トウマちゃんに褒められちゃった♪
褒めてない。俺は一言も褒めてないぞ。
ポジティブすぎるだろ。メンタルどんだけ強いんだお前は。
とーま:アハハハ…
かみ:でもさー。なんでトウマちゃんさっきから敬語なの?なんからしくなくない?
それはひょっとしてギャグで言ってるのか?
お前は神様らしくしろよ!してくれ!
とーま:…………神様相手に話しているので
かみ:あ
あって。あっておい。
このポンコツ神(自称)、自分のキャラ忘れてやがった。
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