世界は死で溢れている In the textbook of life

相沢友達

第1話 エピローグ


                          作者  相沢友達


                  


  朝日の眩しさで目が覚めました。転生してからこんなに気持ちもいい朝は久し振りです。まあ前世はこんな事考える余裕なんてありませんでしたが。

さて 人生であと何回このような気持ちのいい朝を迎えられるでしょうか。


 キッチンから卵と焼き立てのパンのいいにおいがします。きっと彼女たちが作ったのでしょう。私の愛弟子二人とても可愛いくていい子たちです。そろそろ起こしに来る頃かな。


 そんなことを考えていたら、



「先生起きてください。朝ご飯できましたよ。 」



 ほら、やっぱりね。来ると思ってたよ。私はゆっくりとベットから起き上がって少し微笑みながら。



「おはようございます。とってもいい朝ですね。」


「おはようございます。ご飯早く食べましょうメラも待っています。」



  手慣れた感じで入ってきたのは身長は150cm手前程の少女でした。

彼女の名前はリオネ。細身でくりっとした青い目と茶髪のポニーテールが特徴的なしたしっかり物の女の子です。もう一方はメラといって短い白髪で黄色い目が印象的な肌の白いはちょっぴりだらしない女の子です。ちなみにどちらも15歳です。


 まあ話の流れ的にわかるとは思いますが一応最初なので紹介しておきました。

二回目ですがとっても可愛いくていい子なんですよ。


「センセー遅いですよ~餓死しそうになりましたぁ。」


 そんなことを言い机に突っ伏しているメラ。


「それはあなたが無駄に早起きするからでしょう。」


 突然煽りだすリオネ。


「はぁ? 無駄ってどういう意味ですかぁ?」


 起き上がって反応するメラ。


「ありのままの意味ですが、何か?」


 息をするように悪口を言うリオネ。


「いやいやいや、ちゃんとあなたの手伝いましたが?」


 負けじと反論するメラ。


「パン焼いたじゃないですか、そんなことサルでもできますよ?」


 さっきより毒舌になっているリオネ。


「あなただって目玉焼き作っただけゃないですか、そんな変わりません!」


 苛烈に反論するメラ。


「私はあなたみたいに無駄に早起きしていないので。」


 冷静に対処するリオネ。


 ・・・・・・・。


 まあたまにはこんな風にマウントの取り合いしていますがね。


「ハイハイ、喧嘩しないでください。まったく朝から元気ですねぇ。」


 私に注意されて一瞬で静かになる二人。こういう素直なところがこれまた可愛いですね。普段は仲のいいんですが私の前だと言い争いになります。なぜでしょう?


 おっと私の紹介が遅れてしまいましたね。私の名前はラディアです。乙女色の首元が隠れるくらいのショートヘアーで濃い紫陽花色の目をした老婆です。どのくらいになるかはわかりかねますがよろしくお願いいたします。



 「センセー昨日話の続き聞かせてくださいよぅ。」


 「昨日はどこまではなしましたっけ?」


 「赤い花のきれいな国で国王の葬儀をした所までです。」


 「私も早く聞きたいです!」


 「では、その続きから話しましょうか。」



 私は若い頃は葬儀屋として様々な国々やその中にある町をジープで走っりまわっていました。

今は引退してとある国の街角の少し大きな家に住み3年前からリオネとメラの二人の弟子を取っています。


 弟子は死ぬまで取らないつもりでしたが、やはり年を取ると考えも変わってくるものです、自分の生きた証のようなものを作りたくなってしまいます。これももうすぐ死んでしまうからなのでしょうか?

そんなことを考えながら外を見やります。赤い綺麗な花が2本飾ってあります。


 「どうかしましたか? 先生?」


 リオネが心配そうに声をかけます。私は起きた時と同じように少し微笑みながら


 「少し考え事をしてました。」


 「センセーも考え事するんですね。」


 「それはどういう意味ですか?」


 「な、なんでもございません。」


 「フフフ、ならよろしい。」


 メラの変な受け答えにクスッと笑ってしまいました。まあ葬儀の話なんて暗くて少しばかし悲しい話が多いのでこういう雰囲気の中で話すのは間違っているかもしてませんが張りつめた空気よりはいいでしょう。朝日がより眩しくなっていました。


 「さて語ろうとしますか。私の昔話を!」


 二人は目を輝かしながら私の話を聞いています。いいですね若いって

なんてくだらないことを考えながら私人生の締めに語るのでした。


 そして全ての物語を語った終わった1年後愛弟子に看取られながら私は、、、。




 

 これは転生した葬儀屋と遺族たちが贈る死の物語なのでした。


 

 







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