第5話 理沙の策略

俺は目を覚ますと知らない所に居た。

「アレ?ココどこだっけ?」

俺はベッドで女の人と一緒に居る。

しかも、女の人は布団の中で裸。

俺は下半身だけ丸出し。

・・・いったい何がおこったんだ?

「オハヨ、青木君。昨日は激しかったね。」

「エッ?何?俺、昨日何したの?」

「青木君覚えてないの?酷いな!私の身体が目当ての遊びだったのね!」

「ごめんなさい。記憶がとんでて・・・」

「昨日、私の服を脱がせたのは青木君なのに!その後説明できない様なエッチな事して・・・ 誠意見せてよね!」

俺はこの時、大学の男の先輩から告げられた事を思い出した。

“理沙の部屋には入るなよ”

こういう事だったんだ!

後悔したがどうにもならないので、荒井先輩に言われるままにしようと降参した。

「俺はどの様に誠意を見せればよろしいのでしょうか?」

先輩は少しビクッとしたが、

「とりあえず、パンツとズボン履いてくれるかな?それから、私も服を着るからコッチは見ないで。」

俺のパンツとズボンは丁寧にソファーの上に畳んであった。

“これから女を襲う奴がこんな風に畳んだりするもんか!”

と思ったが、降参する心は変わらなかった。

服を着終えて荒井先輩はきりだす。

「私、ネットワークビジネスやってるんだ。青木君ネットワークビジネス知ってる?」

俺は何かの雑誌で見た情報を言ってみる。

「自分を頂点としたグループを作って、そのグループで一定の買い物や販売をするビジネスですよね?」

「青木君よく知ってるわね! 私のグループの売上がね、今月あと十二万円で300万円になるの。300万円になると30%のキャッシュバックが会社からくるの。」

「十二万円位なら先輩が出せばいいじゃないですか?」

「嫌よ!それじゃビジネスにならないわ。」

「それで、この無水調理器具か羽毛布団かどちらかお願い!」

「嫌って、言えないんですよね?」

「そうね〜?わ・た・し・からのお願い!」

荒井先輩の目は笑ってなかった。

・・・コワイ・・・

「それから、会員になって私を補佐して!会員用のスタートアップキットは8000円ね!ちなみに会員にならないと、割引無しで十八万円になります。」

・・・んん~ こういう展開か?

「24回払いのローンでOKだから!」

俺は渋々、契約書と発注書、ローン契約書を書いた。

「これからも私の下僕として頑張ってね。」

荒井先輩からはこんな言葉を告げられやっと自由の身になった。

彼女から開放されるまで3時間位はかかった。

あ〜 今までより更に女性が怖くなった。

高い金払って一つ勉強した俺だった。

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