第39話 特技がありません(#教師のバトン)
Q 15歳 男子
僕にはこれといった特技がありません。
学校にいると、周りの友だちが輝いて見えます。
勉強ができる人、スポーツが得意な人、音楽や絵が長けている人・・。
ゲームやPC、SNSで飛び抜けた才能を発揮している人もいます。
僕はどこにも当てはまりません。
何だか、肩身が狭く、生きている価値があるのか不安になります。
特技はあった方がいいと思うのですが、特に何も無い人はどうすればいいのか教えてください。
A 特技があるように見える人たちは、先人がつくってきた文化や価値観の中で自分の特技を発揮しているだけです。特に新しいことを生み出しているわけではないので、焦る必要はありません。
どこにも当てはまらない人ほど、今後人類にとって新しい文化や価値観を生み出す可能性を秘めているかもしれませんよ。
それはさておき、これと言った特技も無く、人生を終わっていく人が大半であることを自覚しておきましょう。
地球上に住む人間は70~80億人いると言われています。
私が中学生だった頃の30年前は、50億人と言われていました。
たった30年で、30億人増とは、ちょっと怖いですよね。
目の前の30人と自分を見比べても仕方がないことは自明です。
地面から這い出てくるアリたちが、女王アリ以外で特殊な一匹を見つけることはほぼ不可能です。
人間もほとんどが、普通の働きアリと同じなのではないでしょうか。
外国の方から日本人を見ると、全員同じ顔に見えると言われます。
あなたが気にしている凄い友だちも、周りから見れば、そう変わらなく見えると思いますよ。
人間や動物が長い間培ってきた、生存するための戦略とすれば、特技が無いこと自体が当たり前であり、尊いことなのではないのでしょうか。
周囲にいる特殊な友だちも、時間がたてば、あなたと同じような存在になると思いますよ。
そう焦らず、今の自分を大切にしましょう。
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