下見する者、それを見張る者
「ホゥー……―― アォッ! フォー……―― ポゥッ! フゥーッ!」
……どうして
しかし、さすがは
ちょっとオイル漏れは気になるけど、それは入ってる証拠でもあるし。
「こちら
「聞こえてますよ。私は今から、予定通りビルの屋上へ上がります」
携帯へ繋いだ
現場から遠ざけられてるのが気に入らないのだろう。
でも、下手したら時速百キロ超という速度域での立ち回りだ。とてもじゃないけど二人乗りなんてしてられない。
「そろそろ監視ポイント前を通過する。他の
「少し待って下さい。この双眼鏡の調節が……なんでか……上手くいかなくて……」
「……壊すなよ? それ結構な値段すんだからな?」
とはいえ普通の女子中学生に、
「調節できました! ――ってッ! これ凄く奇麗に星が見えます!」
「あーとーにーしーろー!」
「ちょっと細かくないですか、
……どういうことだろう?
桜先輩や
それとも桜先輩も『次章予告』を夢に見て?
だとしたら条件は『異能に覚醒している』辺りだろうけど、それはそれで『なぜ首を突っ込んでくるのか?』という謎が残る。
「……本当に……
そして
疑い深いと思われるかもしれないが、これは俺の方にも問題がある。
ゲーム世界へ転生なんて事情を説明できやしなかったし、そもそも俺自身からにして知らないことの方が多い。
互いに協力させつつ、懐柔し、それでいて監視対象……残念ながら信頼関係にあるとはいえない感じだ。
「教会の
「ハー……レー……? 車ですか、それ?」
「バイクだよ! バイク! 超大型の! おそらく教会の
そのクラシカルで独特なシルエットは、まるで公道へ君臨するかのようだった。
……ここにきて、さらなる勢力の参入か。分かっていたことだけど、一筋縄にいきそうもない。
しかし、考えをまとめる暇すら与えられず――
「
と事態は動き続ける!
バックミラーに映った
負けじと教会の
俺だって辛うじて並走はできてるものの、この速度では曲がれそうにない!
これは介入するとしても、
カーブへ差し掛かる前にスロットを緩めながら、あまりの速度差に慄く。
そのまま跨道橋を――環状高速を跨ぐように掛けられた歩道橋を通過する際、
幼馴染の出演する変な夢を、念の為に確認に来たところか。……残念ながらガチ――正夢なんだぜ?
どうやら役者だけは揃いつつあった。……招かざる出演者ばっかりだけど。
※
書き貯め分が終わりました!
続きは、また貯まったら再開します!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます