PLATONIC ²

PLATONIC ²:epilogue




この世には不思議なことに、飄々と存在する。



こちらを見ていなくても何かを見据え、夢なんて非現実的なものを

信じないフリして明日を描く、雨粒にも似た人間が。











─── 雨はやがて、君へ届くのだろうか





答えを出せばまた、

その瞳でこちらを貫くのだろう?




なにも知らぬフリして射抜くのだから、僕がたとえ酷薄だとしても、君も共犯だと思う。




「一瞬の痛みなんてどうってことない」




2乗は二度と混じり得ぬ不等号だ。


ピアスの穴を開けることは軈て、萎びた火薬、

そして咲く権利を得ることの出来ない花火を意味する。


揺れるフープは、雨粒を阻む月の我儘。




花散らしの雨も、翠雨も、秋霖も、凍雨も届かぬ、透明の距離がつなぐ淡雪の楼閣。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る