第10話

-「やっぱりまさくんは頭いいわねぇ」

「こりゃ将来有望だぞ!!」

「まさくん足速いねぇすごい!!」

「まさくんはなんでもできるのね」

みんな笑ってる

父さんも母さんもあの頃のままだ

友達もいる、先生もいる

そして…

「まさ〜!!あーそーぼっ!!」

「今日はね…じゃーん!!新しい絵本借りてきたの!!」

「このお姫様泣いてるねどうしたんだろ」

「王子様とお姫様は結婚できるんだね

結婚したらずぅっと一緒にいられるんでしょ??

だったら僕が王子様になるからまさがお姫様になって〜」

「え〜まさも王子様がいいの??じゃあ僕がお姫様になる〜!!」-


チュンチュン

ん??今日はやたら明るいな…

ハッ!!今何時だ⁉

時計が指すのは8時5分

もう親はとっくに起きてるだろう

こんなことしている場合じゃない

早く家から出なければ…


「あら…まだいたのまさ

そういえばこの間のテストどうだっt…」

ガチャン

何週間ぶりの会話だろう

その会話で真っ先にテストのことを聞く親がどこにいる

…ここにいるのか

はあぁ…それにしてもこんなにちゃんと寝れたのは久しぶりだ

確か何か夢を見ていたような

…ダメだ思い出せない

そこだけえぐり取られたように思い出そうとすると頭が痛む


ポコッ

LI○Eが来た

こんな朝に俺に送ってくるやつはいない

きっとあいつだろうな…と思って見ると案の定そうだった

「おはよ」

の3文字だけ

「お前は俺の彼女か…」

なんであいつはこんなに絡んでくるのだろう

何か思惑があるに違いない

そういうやつにはなるべく関わらないのが吉だ

そうして俺はスマフォを閉じた


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