間章 或る者の視点その二

    ☆


 部屋の主は、オートメイド二千百一号――〈菊花〉の右腕を治してやった。

 〈菊花〉のメモリに記録された映像を再生すると、部屋の主はある場面に魅入った。 

 その部分を繰り返して再生する。〈菊花〉は、見覚えのある女子高生に跨って刺し殺そうとした直後、サングラスを掛けた大男にやられた。

 これは脅威だ。オートメイドが一人の人間に腕をやられるなど、前例がない。

――あるいは、この街の、私の脅威になるやもしれぬ。その男を確かめなければならない。

あの女子高生がいるなら尚更だ。 

 会ってみようか。私なりの方法で。

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