第4話

あの後僕は職員室に急いで向かい、図書室の鍵を田中先生に返却した。


 先生は「ごめんねー」と苦笑いをしながら鍵を受け取った。両手を前で合わせて「本当にありがとね。」


 と僕や大丈夫です。と一礼し、すぐその場から立ち去った。


 駆け足で下駄箱に一目散に足を進める。下駄箱を開けて履いていた上履きを脱いで中に入っていた革靴を取り出して靴に踵を一気に差し込んだ。


 僕は服装や髪の乱れをその場で整えて胸に手を当てて深呼吸を2~3回する。よしと心の中で呟き、そろりそろりと正面の扉に向かっていく。


 周りを見渡して彼女がいるかどうかの確認を行う。


 耳を澄ませていると話声が聞こえてくる。声のする方に顔を向けると島崎唯と女子が複数で話している。ゆっくりと後ろに下がり、話が終わるまで彼女らの目に入らぬように扉の後ろ近くで待機した。


 仲良く談笑する声が聞こえてくると出るタイミングがつかめずに彼女らの会話に耳を傾けている。


 ここで「やあ。みんなで何やってるの?」満面の笑みで登場シーンを妄想するが、特に絡みのない奴が彼女に近づいてきたらおそらく警戒されて場の雰囲気を悪くするに違い無いだろう。


 そんな事になる事態は避けて通りたい。しかし、このままここに居続けて彼女を待たせるのは申し訳ない。どうしたらいいものは僕はどうやってこの状況を打開できるか考えている。


 彼女たちは今日の出来事を話したり、この後の話をしている様子だ。「途中まで帰ろうよ。」「誰か待ってるの?」と話しをしていると。彼女はその場をなんとかやり過ごそうとしているのか「今日は用事があるから、それに人を待っているから。」と。


 すかさず、一人が「なになに?男でも待ってるのー?」茶化すように訪ねている。


「どうだろう。」


「えっマジなの?」


「ほらほら早く帰らないと。」


 友達の背中を軽くおして帰りなさいと促して「しょうがないなー。今日は勘弁してやる。」と諦めてもう一人の友達と帰っていった。


 僕は見計らった様に再度誰もいないか確認をして彼女の方にそっと近づいた。小さい声で「島崎さん。」


 彼女は気づいていないようでもう一度「島崎さん。」


 彼女は後ろを振り返って驚いた顔をこちらをみている。


「びっくりした。急に出てくるんだもん。」


「驚かせてごめん。実はさっきからいたんだけど友達と話しているようだから出ていきにくくて。」


「そんなこと気にしなくていいのに。」あっけらかんと答える。


 あんまり女の子はこういう事は気にしないのか。それとも僕が周りを気にしすぎなのか。


「それじゃ。帰ろうか。」


「うん。」


 前に進む彼女の後ろを2~3歩離れて僕は歩いた。


 校門付近で彼女は振り返りの「横に来て。」自分の右隣りを指さして言う。


「それじゃあ話づらいし、カルガモの子供みたいだよ。」


 可笑しそうに笑っている彼女の横に一歩踏み出して横に並んだ。


 満足そうにまた歩き始めて僕も再び歩き出す。


 彼女の歩幅に合わせてゆっくりと歩く。彼女の歩くスピードは何時もの自分の速さとは違う。


 学校の生徒の姿がなく、ちらちらの人の姿はあるが、この辺りの住民だろう。道路の端っこで僕ら二人は特に何も会話することもなく歩き続けている。


 僕は彼女のお願いが気になっていた。僕が手伝ってくれたお礼がしたいだなんて彼女に無理やり言わせたのではないかと申し訳なく感じてしまうが、特に彼女の【お願い】はまだ語られる事もなく、僕らはただ道を二人で歩いているだけだ。


 僕は口火を切って彼女に尋ねてみた。


「あのさ、島崎さん。さっき後で言うって言っていたお願いってなにかな?僕で出来ることであれば今日のお礼がしたいんだけど。」


「お願いって言うか話を聴いてほしいというか。」僕に伝えるかまだ悩んでいるようで、「んー…」と両手を組んで考え込んでいる。


「櫻井君。私が変なことを聞いたり言ったりしてもひかない?」


 変な事とはどんなことだろうか。誰かの悪口だったり、いじめの計画だったりしたら賛同は出来ない。けれど彼女がそんな事をしそうでもない。一体彼女の口から何を語られるのか僕はひたすら彼女が黙って頷きながら彼女の話の続きを聞くしかない。


 僕の顔を見て「じゃあもうちょっと先にある公園で座って話さない?」と誘ってくれた。


「うん。」と頷いて僕は近くにある自販機まで小走りで向かい、彼女を見ながら「何がいい?」と叫んだ。


 彼女も僕の後を追って「いいよ。悪いから。」鞄から財布を出そうとしていたが、「別にいいよ。僕が飲みたいだけだから。」と手を遮る。それに「お礼の一貫だと思って。」


 彼女と今に至るまでかなり緊張して口の中が実を言うと乾いてしょうがなかった。今だって緊張しているし、誰かに見られていないかと内心びくついている。


 僕は財布から小銭を取り出してお金を自販機に入れる。彼女に押していいよ。と声を掛けると、いいの?言いたそうにこちらを見ている。一言「ありがとう。」呟いてミネラルウォーターを押した。僕は彼女が飲み物を取ったのを確認してレモンティーを押す。


 出てきたペットボトルを取ってキャップを開けて飲む。


 レモンティー口の中が甘い味が広がっていって。一気の胃の中に全部落とし込んだ。


 うん。変わらず甘くて美味しい。


「櫻井君。紅茶好きなの?」


「好きって言えば多分好きかな。甘い物は好きだけど、すっきりした甘いやつが好き。」


「そっか。」彼女もミネラルウォーターの口を切って一口飲む。


「島崎さんは何か好きなの?」


「なんでも基本的に好きだけど、よく水買っちゃうんだよね。学校の自販機でもよく買って飲んでいるし。」


 僕らは鞄に飲み物をしまって公園に向かって歩き始めた。再び沈黙になるかと思っていたが、


 彼女はじゃあと「私のお願いの前に質問するね。」僕に言った。


 真剣な顔して声のトーンが少し下がった。さっきまで楽しそうに友達達と話していた声とは別物だ。




「あのさ、去年の夏あの日私の事見てたでしょ。」




 彼女から語られたあの日は僕は確かに見ていた。見ていたというより覗いていたたと言うか。


 彼女に言われた一言であの日の記憶があっという間に思い出される。


 なぜ、彼女は僕が見ていた事を知っていたのか、彼女と目があったのはほんの一瞬、刹那的に視界があっただけだ。その後僕はその場からすぐに立ち去った。


 彼女は気づいていないと思っていたから。


 僕は彼女の目を離さずその場に立ち止まった。彼女の真剣な姿は僕を縄で縛っているように動くことを許さない。


「やっぱり。」と言わんばかりに確信があったのか。不適に笑う。




「だからって何もないけどね。」可愛らしい表情に戻る。




 彼女の脈絡のない会話は始まったばかりでこれから語られる内容と二人で始めることは僕はこの時は想像なんてしていなかった。








(2)


 取り合えずだが彼女の言わんとしている事が分かる。


 あの日と言うのは去年の夏の日に彼女の事を見ていたのかという。確かに僕は見ていたけれど、僕はこの結末がでるまで見ていなかった。覗きの趣味はないし。たまたま用事があってその場に居合わせてしまっただけだ。


 とりあえずは知らないと言い張れる状況ではない。彼女は先にベンチに座り地面をじっと見つめている。ここは素直に答えていた方が言い張れる思われる。


「島崎さんの言う日かは分からないけれど、その。君を見かけて見ていた事はあるよ。」


 地面を見つめていた彼女は顔を上げて僕を見た。「やっぱりかぁ。」と嬉しそうに声を上げている。


 何かを探るように探求心の塊みたいな彼女は僕をくまなく見て楽しそうに見ていた。


「じゃああの時の私を見ていてど思った?変わっていると思った?」


「全部見ていないから何とも言えないけれど、先輩に告白されている後輩の女子生徒に見えた。」


「告白されている所は見ていたのね。」いい所は覗いていたんだ。とぼぞっと呟く。


「ごめん…」


 違う違うと責めている訳ではないからとすぐ否定してくれた。「なんていうのかぁ。」ほら、あれだよ。と何か言いかけようとしている際に僕は彼女があの日告白されていた場面を思い出した。






 あの日は暑い日だったのを覚えている。僕はゴミを捨てに行くためゴミ箱を持ってゴミ捨て場まで歩いていた。すると通りにて声が聞こえていた。誰かがいるのだろうかと気になって声のする方に足を進めたのだ。


 すると公舎の片隅の方で男女が話している姿が見えた。


 その時の僕は好奇心がどうしても勝ってこっそりと覗いていた。


 ゆっくりとその場に音をたてないように足元にゴミ箱を置いて公舎の壁から少し身を乗り出して覗いてみた。


 そこにいたのが島崎さん。そしてもう一人男子生徒の姿があった。彼は2年生で女子の間からカッコいいといわれている先輩だ。


「君が好きだ。だから俺と付き合って欲しい。」


 真剣な表情で彼女を見据えて彼女に話しかけた。


 彼女の方はその目を真っすぐ見て口を開いた。


「ごめんなさい。」とお辞儀をしながら断りの返事をした。


 断られた先輩は「もしかして、好きな人がいるの?」と彼女に振られた理由を探り始めた。


 すかさず彼女は「好きな人はいません。」と答えた。


「じゃあ。なんで、」と問い詰めるように彼女に尋ねる。


 彼女の方は答えにくそうに下を向いて口を閉じたまま貝の様に開かない。


 暫く無言が続いて口火を切って話出した。


「私はあまり知らない人にすぐに付き合って欲しいといわれても付き合う気はありません。」


「じゃあ一緒にいてみて付き合うか決めるのは駄目なの。」


「駄目ではないんですが、違うって言うか、自分でも何とも言えないです。」罰が悪い顔で先輩の表情を窺っていた。


 訳が分からなそうに先輩は「お互いに分からないから付き合う中で知っていってもいいんじゃないのか。」と食って掛かる。


 彼女は彼に言った。


「じゃあ私のどこが好きになったんですか?いつ先輩の言う【好き】だと思ったんですか?」


 と、彼に不思議そうに問いかける。


 先輩は顔だったり、柔らかい印象だったり、普段の姿を見ていつの間にか好きになっていたと彼女に素直な気持ちをぶつけていた。


 その気持ちに対しての彼女の返事は僕には拒絶に見えた。この時の彼女の声は普段より少し低めで瞳に影がかかっていて印象的だった事を僕はしっかりと記憶している。


「そんな学校の私を見て好きになったんですか。不安じゃないんですか。ほんのちょっとの部分で好きなって。【本当】がどうかも分からないのに好きだなんて。勝手に私を想像して勝手に好きなったのにいちいち気持ちを押し付けないで。」


 突っぱねて力強い返事だった。拒絶の様な嫌悪を抱いた様な。その顔は辛そうで、泣きそうな表情な気がして彼女の顔を遠くから盗み見ていたのだ。


 その時だったのだ。彼女と僕の目が合った。あの目を瞳を見てから僕は島崎唯を知りたい。なぜあの言葉を言った真実が知りたくて。彼女を目で追うようになったのだ。


 この後僕は瞬間僕はヤバいと逃げだそうとしたら足元に置いていたゴミ箱に思いっきり足を引っかけた。ゴミ箱をひっくり返して大きな音を立てたとたん、誰かいるのかと先輩がこちらに向かってくるので急いでその場から一目散に逃げたのだ。


 それ以降の彼女と先輩がどうなったかは僕には分からない。


 これは僕と彼女と初対面だ。いたって良い印象はないだろう。


 なんだって僕はその場所にゴミ箱は置いてくるし、その時はただとりあえずその場からいなくなることだけ考えていた。結局のところ今になって分かるのは彼女にはバレていたことだ。そこに大きな証拠を置き去りにしていたのだから。


 彼女が「あのね。」と声を変えられて僕は我に返った。そのまま彼女は続けて話した。


「よくわからないんだけどね。よく友達とかが誰と付き合ったって話をよく聞くじゃない。それで付き合ってすぐ何か月もたたないうちに別れてみたりさ、そしてすぐ別の人と付き合ってみたりよくしているじゃない。よく知りもしないのに好きって言われて付き合えるのかわからなくて。」複雑そうに眉をはの字に困惑している顔が窺える。


 鞄から僕が買って渡した水を取り出して飲まずペットボトルを回したり、触ったりしている。


 ただ彼女が話が終わるまでじっと耳を傾けていた。彼女の本心なのか図り知れないが、何か自分自身の中で片付けたい問題なのかもしれないと勝手に想像している。


 そして僕が途中で口を挟む事で彼女の話を止めるわけにはいかない。彼女が何故僕に相談してくれたも分からない。ただ、ベンチに座っている俯いている彼女のを見つめ続ける。


「それに女子ってそういうの話が好きでしょ。あれこれ詮索されたり、話したりするとすぐ尾ひれがついて話が広まって3日も経たない内に学校中に広まっちゃう。そういうのあんまり好きじゃないの。」彼女はうんざりしたように口を開いた。


「ただ、一時の気持ちで好きって言われてその時の感情で「好きです」って言っているだけなんじゃないのかなって思うの。さっきも言ったけど、告白してみて自分の理想の人とは違うと思ったりするとすぐさよならしちゃう人もいるでしょ。」


「皆がみんなそうでない事も分かってるんだけど。櫻井君はどう思う?普通の女子とは考え方が少し違うのかな。そういう考えは駄目だって思ってみんなに相槌をついて話を合わせたりしててもみんなには言えないけど疲れるんだ。とってもね。」ため息を深く彼女はついた。


 僕は恋愛事に関しての経験はゼロだ。そういった類の自分の話はない。でも決して男子でもそういった話をしない訳でもない。僕自身も友達の恋愛話を聞いたりカップルでいちゃついている姿を見たりすると羨ましいなと思う時はある。しかし、頭の隅で冷めた自分がもう一人いると感じることもある。ただただ、そういう風に感じた時寂しさや、虚しさは感じる。


 僕は彼女の座っているベンチの端彼女の様子を見ながら座った。


 僕の真正面に広がる景色は公園で遊ぶ子供が周りにいて無邪気に騒いでいる。なのに、彼女と僕の周りはそういった雰囲気からかけ離れていた。重たく沼地で足をはまっって身動きが取れない様に。


 他の人との違いというのは悪いことではないと頭では分かっていてもどうしても悪いことの様に感じてしまう。正しくないことでも道を逸れたとしても多数の意見が反映されて、それが正しい結果になっていることがある。意見が食い違えば周囲との輪も乱れて空気も悪くなるだろう。


 彼女は結局の所仲間外れにはなりたくはないのという事だろうか。けど自分の物事の考え方を貫きたい彼女の我儘なのだろうか。


 良い解決案が浮かばないが今思いつくだけの思いを言葉にして彼女に僕は伝えた。


「僕は恋愛はよく分からないけど、例えば相手を知る所から始めたらいいんじゃないのかとも思う。


 ありきたりだけど。けど急に付き合うのはどうかと思う。自分がちょっと興味を持ってたり気になっていた相手の場合は友達から始めるとか。まったく興味がないならバッサリ捨ててもいいと…思う。」


 彼女は僕の顔を見て「うん。」言葉の続きを待っている。


「何かきっかけがあれば相手を知れるんだと思うんだ。こうやって島崎さんに本の整理を手伝って話す機会があったから今日少し島崎さんを知れたんだと思う。その直接話しても良いだろうし、極端だけど話すのが嫌なら相手が良いっていうなら手紙とかとかでも良いじゃないかなとか。」


 僕は少し彼女の気持ちが分かる気がした。恋愛事ではないが、周りの考え方の違いで阻害感を感じることもあったから。だから彼女と共感する部分があった。


「だから、島崎さんが周りの友達と考え方や感覚がズレてたりと感じたりしても、そのやり取りをした恋愛相手や友達に少しでも互いを知って理解や感じるところがあったらどっかで、もしかしたら最終的に行き着く所や感じ方とか同じなのかなって。その【好きなる】って感覚は。」


 僕は彼女を見て「ごめん。話が纏まらない。訳が分かんないや.


忘れて。」と先程話した事を振り返ると何を伝えたいのか分からなくて急に恥ずかしくなり彼女から視線を逸らした。


 彼女は僕から視線を逸らさずに見据えて口を開く。


「言いたいことはやっぱりよく分からないけど、知りたいって思ったよ。」


「それはよかった。あんまり解決にはなってないと思うけど島崎さんが少しでもすっきりしてくれれば良かったよ。」少し僕は安堵した。


 そして彼女はまた話を続けた。


「ありがとう。質問に答えてくれて。急にびっくりしたよね。話したことなんか全くなかったのにね。」クスクスと笑う彼女に僕も笑って返事をした。


「確かに。」


「あと、実は今までのは質問だったんだけど、お願いはまだ有効?」


 よくよく考えてみたらこれはお願いではなくてその段階前だった。もう解決済と勝手に思っていたが違かった。


 しかしここまできたら聞いてしまおうと僕は思った。


「うん。ちゃんとお礼がしたいから。」


「櫻井君は律儀だね。」


 楽しそうに笑う島崎さんをみてやっぱり笑っている顔の方が素敵だなと思う。こういう笑顔をみると誘惑されてしまう男子の気持ちが分かる。


 僕は恥ずかしくなって下を向いた。


 その姿を見てか彼女は「よしっ。じゃあ言うね。」とベンチから立ち上がり少し歩いて振り返り僕を見た。そして右手を差し出してふか深くお辞儀をした。


 彼女の長い髪は地面に向かって流れていく。


『私と友達になってください。』


 僕は目を見開いてこの状況を少しでも理解しようと頭の中を必死に整理しようとした。目の前にある彼女の手を取って彼女の友達宣言を受け入れてよいのだろうか。けれど先程自分で言ったのに拒否なんて出来ない。


 それに僕は彼女の事を知りたいと前々から思っていた。だから僕はゆっくり彼女の白く綺麗な手に右手を伸ばした。


 けれど思いっきり手を握るなんて勇気はなく、彼女の指先を軽く握った。


 その感触は僕の何倍もサラサラでしっとりとしていて、女の子の指ってなんて細いんだろうかと目で彼女の指を眺めた。


 彼女は下を向いたまま笑いを堪えながら「これって友達成立?」と尋ねた。


 僕は彼女に「友達成立です…。」と小さい声で呟いた。


 その後彼女は笑いながら「じゃあ帰ろっか。」と僕に言った。


 僕は彼女の少し離れた隣で一緒に帰った。僕は先程話した内容に少し嘘をついていることに少し胸が痛くなる。


 彼女は純粋に友達になろうと言ってくれたのだ。


 この時僕は彼女と友達になりたかった。だけど下心がないって訳じゃない。少しは疚しい気持ちは持ち合わせていたから。


けど、本当に言えることは君に友達になれることは嬉しかった。

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