異能が全ての世界で復讐劇

美海 あきら

第1話 始まり1

「うう、い痛い」(一体どうなったんだ?皆はどこだ?ここは一体・・・?)


「ああー、今日はテストかー。面倒くさいなー」


 そんな呑気な事を言いながら俺はベットから起き上がった。


「おはよう父さん」


 作業場にいる父に向って挨拶をする。


「おはよう連、今日はテストだろう?早く朝ごはんを食べて、学校で復習をして来い」

 

 作業をする手を止めて、父は俺に言った。


「わっかたよ父さん。母さんはもう仕事?」


「ああ、母さんはもう仕事に行ったよ、なんでも何か連絡がしていると思ったら『やっと見つかった!』と言って大慌てで出かけて行ったよ、健も一緒にな」


「『やっと見つかった』?父さん何の事かわかる?」


「さあなー、多分何か新しい『光の世界』か『闇の世界』の資料が見つかったんじゃないか?」


「なるほど、あり得るね」


 俺の母は『世界』について研究している学者だ、今俺がいる世界が『狭間の世界』と言って地球や太陽などの星に生き物が住んでいる世界、その横に『光の世界』や『闇の世界』が存在する。


 『光の世界』『闇の世界』は『狭間の世界』とは違って星などは無く、楕円形をした硬い岩盤に囲まれた空間の中に村や街、国などがあり、コロニーと呼ばれていて、その中に生き物が住んでいる。


 『狭間の世界』にも『光の世界』や『闇の世界』に近い場所には同じようなコロニーがあるが、『光の世界』や『闇の世界』程規模も数も多くない。


 そして何より『狭間の世界』と『光の世界』や『闇の世界』では、そこに住む生物の実力が全く違う。母はそんなコロニーの仕組みや動植物について研究している。


「ほらほら、そんなことを話している暇があったら早く学校に行け!」


「うん、そうだね」


 俺は食事や支度を済ませて学校に向かった。


「おはようございます!」


 他の生徒たちの挨拶する声が聞こえる。


 俺はいつもどうりワープの魔法陣から学校に向かった。


 長距離の移動は基本的にワープ屋にお金を払って目的地にワープしてもらう。


 電車や車もあるが、俺の住む町はコロニーにあり、俺が通っている学校は「楽園」と呼ばれていて、『光の世界』の近くにある。


 『狭間に世界』にしては珍しいかなり大きなコロニーにあるため、通常の移動手段では行く事が出来ないからである。


「おはようございます、教頭先生」


 いつも学校の入口ち立っている教頭先生に挨拶をする。


「おはようございます連君、今日はテストの日ですね。準備は大丈夫ですか?」


「正直、自信はあまり無いのでこらから教室で勉強するつもりです。」


「そうですか、頑張ってくださいね!期待していますよ!」


 そんな平凡な挨拶をしながら俺は学校に入った。


「失礼しまーす」


 俺は学校に登校して直ぐ、教室では無く、理事長室に向かった。


「おはようございます、連君。あら、今日は少し早いんじゃない?」


 とても優しく、そして親しみやすい話し方で挨拶を返してくれたのは、この『楽園』の理事長のエリウス=ハイト先生だ。


 エリウス先生は決して老いることのない肉体を持ち、数万年生きている。


 どんな『異能』を使うのかは分からない。


 『異能』は使わないが、普通の身体強化のみで『身体強化』の『異能』以上の身体能力がある。


「今日はテストがあるので、早めに来てエリウス先生に復習を手伝ってもらおうかと思って、少し早く来ました。」


「ああ、そういうこと。いいわよ、じゃあ時間もあるし一通り復習しようか」


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・異能


 生き物が持つ特別な力、他の者と同じ能力の場合もある。


 異能は一人で三つまで持てる。


 生まれながら持っている異能は変更できない。


・体のつくり


 体の胸のあたりに「核」と呼ばれる物がある(大きさはピンポン玉くらい)。


 「核」は胸の当たりにあるが、肉体の一部ではなく、肉体とは別に存在するため心臓を攻撃し ても「核」には当たらない。


 肉体が死んだ場合、「核」は肉体の心臓部分に出現する。


・核

 『核』には今まで得てきた『経験』や『異能』などが保管されており、『核』を取り込んだ者は、保管されている『経験』『異能』を得ることが出来る。


 得ることができる『経験』『異能』は個体によって異なり、あまりに大きすぎる物を取り込んだ場合は、取り込む際に激しい苦痛に襲われたり、体の形が変形したり、暴走または死亡する事がある。


・楽園

 理事長エリウス=ハイトが貧しい子供を養い始めたのが始まり。現在は、年齢種族問わず誰でも通うことが出来る学校のようなもので、希少になった動植物の保護なども行っている。

_________________________________________

「ああ、そうだった、今日は職員会議があるんだった。ごめんしばらく待ってもらえる?」


 話の途中でエリウス先生が立ち上がった。


「大丈夫です、ここで待っています」


 特に問題は無かったので待つことにした。


「ごめんねー、終わったら直ぐに戻るから。あ、飲み物は好きなの飲んでいいからね」


 そう言ってエリウス先生は部屋を出て行った。

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