本当にあった微妙な聞き間違い1 俺、あの症状…

俺、あの症状しょうじょう

 ジャンヌダルクの熱烈なファンを自認する歴史の先生が、風邪をひいて熱があるのに百年戦争がテーマのその授業だけはどうしても休講にしたくなかったらしく、学生が心配顔で見守るなか、とうとう授業を決行してしまった。もともと活舌かつぜつが悪いうえに高熱のせいで見当識けんとうしきあやしくなっていて、咳とか高熱とか倦怠感けんたいかんとかの話とオルレアン包囲戦ほういせんの話がごっちゃになり、結果、学生たちのほとんどが「オルレアンの」を「俺、あの…」と聞き間違え、「少女」を「症状」と聞き間違えた。「折れるあの賞状しょうじょう」とか「俺、案の定あんのじょう」といった意味不明なフレーズと聞き間違えたり「ジャンヌダルク」を「残念だな、僕」と聞き間違えた優秀な学生もいた。

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