第5話  動き出す青春…

そして日も沈み


「それじゃー今日少し帰り遅くなるからー!」

「あんまり遅くならないようにな!何かあったら男なんだから彼女たちをしっかり守れよー!」

「「ごちそうさまでしたー!」」

そして俺たちは学校に向かうことにする

なぜ学校かというと今日は初日ということもあり

一番無難な学校で見るらしい。

なんだ学校かよと思ってしまったがなんと、なんと!!!

屋上で見れるらしい!

高1のころあこがれていた屋上についに行ける

これだけでも天文部に入ってよかったと思えるくらいにはうれしい。

思わず頬が緩み心なしか急ぎ足になってしまう。

「みゃむら歩くの早いよ~」

「あ、ごめんごめん、なんか祭りの行き道みたいで楽しくて」

「なんか意外だね。でも今日は意外なみゃむらがいっぱい見れてうれしい」

「意外ってどういうことだよ!」

「んー家が喫茶店だったり、家でお父さんにあんな感じで話すんだーとか、こういう時テンション上がって早歩きになっちゃうとか!」


吉川は意地悪にこちらに笑顔を向けた

暗く街灯も少ない道でも、確かにわかるほどその笑顔は素敵だった。


やめろ惚れちまうだろ。

つくづく男とは単純でちょろい生き物なんだと思う

かわいいこに自分のことを笑顔で話されたり

何の穢れもない純粋な笑顔を向けられただけで心を奪われそうになる





学校につき職員室に屋上の鍵を取りに行く

すると安田先生だけが残っていた。

一声かけ屋上へと向かう


「2人とも屋上上がるの初めて?」

「初めてだよー!みゃむらなんてうきうきしてたしね」


「ほっとけ!」

この時新しいゲームを与えられた子供のように心は踊っていた。それを隠すように強めの口調でごまかす

「子供みたいだね流星くん。それじゃお楽しみの屋上ですっ」


少し重い扉を力一杯国木田さんが開ける

するといつも見ていたはずの空なのに

どこかいつもと違うような。

雲ひとつなく、吸い込まれそうな程綺麗な…

俺の青春とは正反対の眩しいほど

きらきら輝いた星空だった

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