(四)-2

 宮浜はセダンタイプの車でやってきた。車を降りて鍵のかかっていない入口の鉄門を押し開くと、再び車に戻り、中に入っていった。

 正義が木陰の草むらから出ようとすると、車通りの少ない国道に別の車がやってきた。ワンボックスタイプの車だった。正義は慌てて木陰に戻った。

 車は一度入口前に停車した。中からは大柄で体格のいい男性が一人と、細身の人物が一人降りてきた。

 正義は木陰から双眼鏡を覗き込んだ。腰の形などからすると女性であった。二人は門扉が開いているのを確認し、何か話をした後、再び車に乗って敷地内に入っていった。

 光の加減などから女性が誰かは確認できなかった。もしかすると法子かもしれない。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る