煙の向こうに

近々町から引っ越す予定のある「私」は、親友と共に、隣家を覗いてみる。空き家だと思っていたそこには、着物姿のおばさんと、もう一人の住人がいた。
夏の京都・西陣を舞台にした、幼い子供たちの幻想譚。京都弁による会話など、地元を感じさせる雰囲気が、より不思議な出来事を際立たせています。
先入観なく、物事を見れるのは子供の特権だと思います。何も知らないからこそ、相手の発する愛情や悲しみをかぎ取ってしまうのでしょう。