異世界生物の進化を想像してみる

異世界物に登場する生物を見ると、とある疑問が生まれてくる。


「これらの生物はどうやって進化してきたのか」と。


我々の世界と似たような特徴を持つ生物が多いのだ。


特に人に近い特徴を持つ生物が多い。


生物は生き残るために進化してきた。


邪魔な機能が残ったままの生物もいるが、自分が生きている環境に適応している。


そこで、異世界の生物をこちらの世界に当てはめるとどうなるのか考えてみた。


特に批判的な考えはないので、視点の一つとして楽しんでいただきたい。




・口(くち)

口を見れば何を主に食べるかがわかる。


例えば、草食動物は草をすりつぶせるように臼歯が発達しており、肉食動物は肉を噛み切れるように犬歯が発達している。


ヒトは雑食なので、臼歯と犬歯がバランス良く発達している。


鳥はクチバシを見れば何を食べるかがわかる。


スズメなど丸みを帯びているクチバシは主に昆虫や木の実、タカなど鋭いクチバシを持っているのは肉食だ。


チョウは花の蜜を吸うためストロー状であり、カマキリは昆虫を食べるため鋭い顎を持っている。


このように、口は何を食べるかの指標となる。


ヒトは他の動物にはない口の使い方がある。


それは「話す」ことだ。


インコなど一部の鳥も話すことができるが、ヒトは複雑な言葉を話すことができる。


これは群れでコミュニケーションすることに特化したという証拠である。


異世界物では、人語を話す生物がよく見られる。


インコのように強靭の舌を持てば話すこと自体は可能だが、複雑なコミュニケーションをするには群れで生活する必要がある。


人と会話する孤高なドラゴンも、実は群れで生活していたのかもしれない。




・足(あし)

異世界でよく見る動物は主に二足歩行と四足歩行だ。


もちろんどちらがよい、というわけではなくそれぞれにメリットがある。


まず二足歩行。


現在、二足歩行する生物はヒトを含む霊長類に限る。


たまに「二本足で立つ猫」などの動画を見るが、あれは常に二本足で歩いているわけではないので例外だ。


霊長類の大きな特徴といえば、道具を使うことだ。


道具を使うことで脳や手が大きくなり、二足歩行になることで長距離移動できるようになった。


アフリカから世界各地に移動できたのも、二足歩行の恩恵だ。


ただ、これにより腰痛や肩こりというリスクまで背負ってしまった。


よって、二足歩行の生物は長距離移動が可能になるように進化してきたと考えられる。


逆に、四足歩行の生物は、瞬発力を武器にしている。


異世界の二足歩行生物はどこにでもいる印象があるので、長距離移動してきたと考えれば辻褄が合う。


魔法で瞬間移動とかしなかったのだろうか?




・角(つの)

異世界には立派な角を持つ生物がたくさんいる。


まず、栄養面から。


角は主にカルシウムでできている。


例えば、ウシ、ヤギ、シカなどが属する偶蹄類は、腸内細菌がカルシウムなどの栄養素を作ってくれるので、栄養素には問題がない。


しかし、異世界にカルシウムそのものがあるかどうかは不明なので、カルシウムと似た物質が多め、または腸内細菌なるものがカルシウムなる物質を生成して吸収していると考えられる。


次に、角の役割だ。


たいそうな理由があると思われるが、実は異性にモテるための目的が多い。


ハンディキャップ仮説が代表的な例だ。


例えばクジャクの羽など、大きくて派手な姿では天敵に気づかれ、襲われるリスクが高い。


しかし、こういったハンディがありながら生き残っていることで、自分の生存能力を異性にアピールするのである。


なので、異世界でも角が立派な生物は異性からモテる可能性が高い。




・体(からだ)

生物の体の大きさについて有名なのは「ベルクマン・アレンの法則」だろう。


ベルクマンの法則は恒温動物は寒い地域ほど体格が大きいという法則で、アレンの法則は温かい地域ほど体格が小さくなるという法則だ。


例えばシロクマは寒い地域に住んでいて体が大きいが、砂漠に住んでいるフェネックは体が小さい。


体が大きいほど体温を維持でき、小さいほど体温を放出できるためである。


これらをあわせて「ベルクマン・アレンの法則」という。


ただし、変温動物においては体格は逆転し、暖かくなるほど大きく、寒いほど小さくなる。


寒い地域に住んでいて体が大きいと、体温を上げるのに時間がかかってしまうからだ。


異世界では体格が大きいものがよく見られる。


グリフォンなど、大きい恒温動物は寒い地域に生息し、ドラゴンなど大きい変温動物は温かい地域に生息すると考えられる。


ただし、「魔法のおかげで適応している」と言われればそれまでである。


また、異世界には巨大な昆虫のような生物もいる。


しかし、昆虫が大きいとまた別の問題が出てくる。


これは一軒家と犬小屋に例えて説明できる。


例えば、ヒトのような大型生物は骨格が体を支えており、家でいえば柱の役割をしているから生活できる。


一方、昆虫のような小型生物は外骨格が体を支えており、家のように柱を持っていない。


その代わり、犬小屋のように小屋全体で体を支えているのだ。


この犬小屋をそのまま大きくしたらどうなるだろうか?


柱がないのですぐに崩れてしまう。


これが昆虫の体が小さい理由だ。


異世界では大型の昆虫型の生物がよく現れる。


彼らもきっと、魔法で体を補強しているに違いない。




・おっ〇い(おっぱ〇)

異世界物では、大きなおっ〇いを持つキャラがしばしば描かれる。


そもそも、なぜヒトが大きなおっ〇いを持っているかご存じだろうか?


まずヒトが四足歩行だった時代に遡る必要がある。


四足歩行だと目線は下がり、あるものがよく目の前にくる。


尻である。


例えばニホンザルの尻は発情期に赤くなるので、妊娠可能かどうかの指標になりうる。


ヒトの祖先も同じように、尻を見て発情していたと考えられる。


これが四足歩行になるとどうなるだろうか?


目線が上がり、尻は見えなくなる。


尻の代わりにお〇ぱいを上半身に配置することで発情させたり、妊娠可能かを見極められるように進化した。


しかし、サルと違って尻が赤くなるような発情のサインはヒトには見られない。


これには発情期を不定期にし、いつでも発情できるようにすることで妊娠率が上がるメリットがある。


と、このような説を聞いたことがある。


よって、二足歩行であることは、〇っぱいが大きいことと矛盾しない!


確かに、異世界でおっ〇いが大きい生物は大体二足歩行だ!


また、おっぱ〇が大きいということは、乳で育児をしていることになる。


上半身ヒト下半身ヘビといった生物も乳で育てているのだろう。




と、異世界の生物を見るとこんなことを考えてしまう。

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