#37 教室編

一時間半ぐらい遅れてしまった。申し訳ない。



―――*―――*―――



「勢いで教室用のスペースを確保しちゃったけど、教室っているのかな?」


 僕は孤児院の二階、何にもないだだっ広い空間でひとちた。ホント、勢いで始めちゃ駄目だな、よく考えてからにしないと。しかし、まあ、この空間どうしよう。なんにも活用方法が思いつかない。

 あっ!思いついた。一部は管理者用の部屋にしよう。アダマンタイト製大型金庫に硬貨の計算機、自動集計システムを兼ね備えたこの世界においては他に類を見ない管理システムを導入して、管理が楽になるようにしておこう。

 他の部分は・・・やっぱり教室にしようかな。最初は4部屋作るつもりだったけど、半分は管理者用の部屋にして、もう半分を中央で区切って二部屋にすることも可能なタイプの部屋にして文字や計算の勉強のための教室にしよう。

 そうと決まれば、さっさと作業開始だ。まずは教室側をサクッと作って家具や道具を運び入れる。問題は管理者用の部屋だが、金庫は作り付けでシステムの処理はコアに任せるように構築しておく。セキュリティも一段と厳しく設定して、許可なく侵入したものは気絶させたうえで食堂へ送るように設定しておく。なかなか備え付けの金庫のキー設定とか、セキュリティーの許可発行をどうするのかなんかの設定で手間取ったが、無事に設定を終え現状では僕だけが許可を発行できる状態だ。これからカルラさんや孤児院の院長となる人に許可発行用のライセンスの付与をするつもりだ。

 さて、これで室内の工事はすべて終了した。あとはグラウンドなどの整備をして孤児院の改築工事は終了となる。



 * * * * * *



「はっ!まずい。集中しすぎた・・・」


 すっかり日が傾きあと少しで夜になると行くところで僕は気がついた。


「これは・・・やばいな。絶対にやりすぎた」


 周囲を見渡してその出来に僕は少し後悔する。絶対にまた呆れられるって、これ。どうしようかな・・・いや、もう作っちゃったから壊すのはもったいないし、残すんだけどさ。


「はぁ・・・もういいや。帰ろうっと」


 僕はそう言って孤児院を後にする。まあ、設備が予想以上に豪華になったのだ。呆れられても叱られることはないでしょ。・・・大丈夫だよね?一応言い訳を考えながら王城へと戻る。護衛の人たちもここのセキュリティの高さは分かっているので今孤児院には僕の眷族?配下?のオートマタたちがいるのみとなっている。明日はみんなを連れていくのでセキュリティレベルをいつもより数段引き上げておく。大丈夫だとは思うが、族に襲われたなんてなったら自分が暴走してしまうかもしれないので、念のためだ。

 明日、みんなはどんな反応するのかな?今からどんな反応になるのか、緊張しつつも楽しみでしょうがない。ああ、早く明日にならないかな!

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