第6曲 世界で一番春がしたい

タイトル:「マイルームコレクション」 西沢さんP

ジャンル:ボカロ 音街ウナ

URL:【 https://www.youtube.com/watch?v=gi-PPPfJ14k 】

天月さん ver 【 https://www.youtube.com/watch?v=XIKtKlHpk-E 】

曲構成:(S)/A-B-S-A-B/↓B'-S’↑S-Ou


 この一年、なんだか悲しい気分になることが多かったと思います。私自身、去年の今頃は精神的にやられてました。学校が休みになる中、のどの奥に使ったような感覚がある、という謎の体調不良を起こして、結局オンライン授業が始まるまではそれが続いていました。

 おそらく自律神経失調症に近い、精神的な何かだったのだと思いますが、当時はつらかったです。

 今日もどこかにはそんな気持ちの人がいるでしょう。 

 そんな暗い気持ちを吹き飛ばすような、明るい曲を、ここでは紹介することとします。


 

①概要

 「キッチン五つ星」というアルバムに収録されていた曲です。YOUTUBEでは2021年4月24日にPVとともに投稿されました。

 このアルバムが発売されたのは2019年の夏。令和元年です。つまり、プレコロナ(コロナ以前)の曲です。


 ちなみに、音街ウナって田中あいみさんの声なんですね。びっくりです。




 この曲はデート前の女性(一人称は「僕」だけれども)が「何着てこーかなー。ねえ、この服どう?」なんて彼氏に聞いている場面が目に浮かぶような、そんな曲です。


 かわいらしいな、と。惚れてまうやろ、と。

 

 ところどころ、明るいだけじゃない現実を示すような歌詞もあるものの、それを吹き飛ばすようなサビの明るさがある。そんな曲です。


 また、最後のサビについてはある工夫があると思っています。 



②コロナ禍で輝く歌詞

 

     泣いたり笑ったりがこの頃難しくなって妙な気分

    「ここから連れ出して」

     まるでヒロイン それか呆れたロマンチスト

                     (上記URLの動画概要欄より)


 「この頃」は、当然この曲が出た時点を示しています。なので当然、コロナ禍のことが意味として入っているわけはないのですが、今聞くとどうしても想起してしまうでしょう。

 この曲は、春のデート前の、わくわくした気持ちを歌っているものです。しかしそれは、2019年を最後に(一応)難しくなってしまったわけです。

 

 だからこそ、輝くわけです。こういう曲が。歌詞が。

 旅番組とかが、どこにも行けない今需要が高まっているのに近いかもしれません。


 今となっては、コロナ禍の克服こくふく渇望かつぼうする私たちの願いを、あるいは希望を表している曲のようにも見えてきます。パートナーがいればの話ですが、例えばこれ、友人関係に置き換えたっていいわけですから。


 出かけるときに何を着て行こうか。


 鼻歌交じりに鏡の前を行き来して、誰にも何にも気兼ねすることなく外出できる日が来るのを願う。そんな私たちに、一つでも明るい未来の風景を届ける、そういう曲にとらえられます。


③ラスサビのインパクト

 この曲、最後のサビの前で、一瞬音程が下がるのがわかります。

 二番Bメロまで地面を歩いてきたのに、間奏後の部分Bメロ(B’)で地中に入り、サビ前もその音程を継続するみたいなかたちです。そして最後のサビで地面に浮上する。


 ようするに、一段階音程を下げることで、最後のサビを際立たせているように聞こえるのです。


 これ、「夜に駆ける」にも似た手法なのかなと思っています。あの曲では、ラスサビ前で一瞬音程が下がって、ラスサビになると二段あがる。

 また、くじらさんの「夜桜」とも、かなり似ていると思います。


「マイルームコレクション」ではラスサビで一段上がる(=元に戻っている)のですが、直前で一段下がったためにラスサビが強調される形になっています。




 

 もとはPVが付いていなかったこの曲ですが、4月末にYOUTUBE上にPV付き動画が投稿されました。こよみの上ではもう春が終わって久しいですが、うららかな気分を思い出してはいかがでしょうか。パートナーがいる方は、彼女(もしくは彼)を思い浮かべるのもいいかもしれませんね。


 さて、今回はこんなところで。

 また次の曲でお会いしましょう。

 

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