プレゼントで身を滅ぼすな!

 二日酔いなんてのは知る必要のない苦しみの最たるものだろう。




 あ、頭が痛い! 吐き気もだ! この俺が気分がわるいだと!? 完全に二日酔いコースだクソ。最後に頼んロンリコ。あれがいらなかった。だって店出たあの記憶ねーんだもん。やらかしたやらかした。


「下妻氏ー起きておいでー?」


 彼女ちゃんか。この声の調子なら大丈夫そうだが、昨日酔った勢いでなにかやらかしていないか心配だな。まぁさすがに無茶苦茶な事はしてないだろう……お、部屋に入ってくるぞ。どうしよう。何かしでかしたか聞いてみる……え? おいおいなんだその格好。え? エルメス? 高いやつじゃないそれ!


「昨日買ってくれたやつ着てみた! 似合う!」


 へー可愛い……うん? 買った……買った!? 誰が!? いやこの流れだと俺以外にいないだろ! いくら!? いくらしたのこの服!?


「ねぇ似合う似合う!?」


 うっわめっちゃテンション張ってる。アカン。とりあえず話し合わせとこ。


「に、似合う! めっちゃどすげーどすばい!」


「やっぱりー!? いやぁ馬子にも衣装っていうけど、私だったらクレオパトラに衣装になっちゃうよねーっへっへっへ!」


「そ、そうだね!」



 それはいったいどういう故事になるんだ。いや、いいや。なんかも疲れた。


「じゃ、私ちょっとカッフェ行ってくるねー! アデュー!」


「う、うん。アデュー」





 彼女が出て行った後カード明細を見た俺は二日酔い以上の頭痛に悩まされた。






 本日のQ&A


 Q.彼女へのプレゼントって幾らくらいがいいですか?


 A.月給の五分の一。

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