結婚の話から逃げるな!

 酒は飲んでも呑まれるなというが本当にその通りだと思う。


「下妻氏〜? 下妻氏じゃ〜ん! つまみ〜! つまみ作って〜? きゅうり叩いたやつ〜」


 缶が散乱している……低アルコールだから問題ないとは思うがどうしたいったい。まぁいいや。きゅうりはあったから、梅たたきを……あれ? きゅうりない。


「あ、ごめんきゅうり食べてたわ〜はははははは!」


 え? 丸かじりしたの? カッパかな?


「どうしんだよいったい。職場で嫌な事でもあったか?」


「んなつまんない事じゃねーんだよ! 推しがなぁ! 推し声優がなぁ! マリードしたんだよぉ! ふっざけんなよ!? 幾ら注ぎ込んだと思っとんねん! あーもう駄目ですわー生きてる意味がなくなりましたーあー死の。死の死の。きゅうりが最後の晩餐でーす」


 あぁ。そういやなんか今日Twitterで見たな。そんなにショックか。俺にはよく分からない感覚だ。だが、だからといってそれを否定するのもよくない。ここは黙って放っておこう。面倒だし。


「あーもー無理無理なんなんだろなーもーきついきつい。もういっそ結婚すっかぁ私も」


「……」


「あー結婚! しよっかなー結婚ー! なー下妻氏ー!? なー!?」


「あ、俺きゅうり買ってくるね! ゆっくり飲んでて! じゃ!」


「……バカ」




 きゅうりを買ってきたら彼女ちゃんはもう寝ていた。結婚というワードは、まだ少し、重い。









 本日のQ&A


 Q.彼女から結婚の話をされますが、まだ早い気がします。どうしましょう。


 A.籍くらい軽く入れちゃえ。抜けるの大変だけどまぁ大丈夫でしょ。大丈夫大丈夫多分大丈夫。

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