第16話 ライバル出現!?


 強引に文化祭の委員にされてしまった。

 その放課後

 集まりがあると言うことで会議室に来ていた。


「翔馬頑張ろうね」

「おーう、そうだな」


 はぁ〜

 2学期初日からめんどくさい。


「あれ?寺島さん?」

「あ、吉川くん」

「寺島さんも委員なんだね。よろしく」

「うん。よろしくね」


 ん?誰?こいつ?


「なぁ葵。誰?」

「え!翔馬ほんとに言ってる?吉川龍くん。去年同じクラスだった子だよ?」


 吉川龍よしかわりゅう


「あ、いたなそんなやつ」

「翔馬、さすがに失礼だよ」


 うん、俺もそう思う


「あはは。僕そんなに存在感なかった?」

「いや、すまん」

「そうそう。悪いのは翔馬なんだから吉川くんは気にしない気にしない」

「まぁこの機会に覚えてくれればいいよ。じゃあ僕はこれで」

「うん。これからよろしくね」

「うん、よろしく」


 吉川はクラスの子だろう。その子の隣に座った。


「翔馬、去年同じクラスだった子を忘れるのは失礼だよ」

「ごもっともです」


 仕方ないじゃん。人の名前覚えられないんだもん。

 みんなだってあるだろそういう経験。

 ....いや、俺は誰に話しかけてるんだ?


「じゃあ文化祭実行委員会始めます」


 生徒会長の一言で始まった。

 これ実行委員会なんだ。知らんかった。


「まぁ今年も例年通りな文化祭になると思います」


 会長の話を聞きながら去年の文化祭なにがあったかなーと思い出していた。


 去年俺らは文化祭でありがちなお化け屋敷をやった。

 まぁ無難なところだとは思う。

 そこそこ人が入っていた気がする。


 七草高校の文化祭は一日だけ

 体育館のステージではどこかのクラスが劇やダンスを披露し、校舎ではクラスや文化部の展示がある。

 ステージは2年生から参加可能

 もちろん絶対では無いのでやらなくてもいいがせっかくだからと毎年全クラスやるらしい。


「ではこれで1回目の会議を終わります。次の時までに何をするかを大体でいいので決めてきてください」


「終わったね〜。翔馬帰りながら相談しよう」

「そうだな」


 鞄を肩にかけて帰る準備をしていると声をかけられた。


「寺島さん達のクラスはどんな感じ?」


 吉川くんである。


「ん〜まだわかんないけど、ステージはやるでしょ。何をするかだよねー」

「やっぱりやるよねー。あんまり被りたくはないかなぁ〜」

「それはそうだよ〜。面白そうで個性がある方がいいって」

「それはそうだけどそんな案出てくるかなー」


 なんか楽しそうだな。


「ね、翔馬はなにか案ある?」

「いや、ねー」


 適当にあしらってしまった


「だよねー。ま、帰りながら話そ。それじゃあね吉川くん」

「うん、また。西園寺くんも」

「おう、また」


 なんか葵と吉川が、仲良く話してるのを見てると心の中がモヤモヤっとして態度に出してしまった。

 なんなんだこのモヤモヤわ。

 まぁ考えても分からねーか。


 帰り道横で葵が話しているのを聞きながらそんなことを思っていた。


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