第34話 小説初心者や出戻り組向け戦略
小説を初めて書く方、また久しぶりに書こうとしている出戻り組の方向けの「戦略」についてのお話です。
まずやってもらいたいのが「短編をたくさん創る」ことです。
小説というものを再認識するためには、「短編」でよいのでたくさん書くことに尽きます。
短編で慣れたら長編をたくさん書きましょう。
書いているうちに十万字に適した地の文と会話文の割合だったり、比喩の使い方だったり、物語の展開のさせ方だったりを学習できます。
「小説の書き方」コラム本伝を読んだだけでいきなり「異世界転生」に挑んでも、たいていはコケます。
大人気ジャンルであってもコケます。確実に。
そこで、ミステリーでも学園ドラマでもよいので、「人気のあるジャンルを選ばない」でたくさん書きましょう。
ここまでは兵法でいうところの「訓練」の段階です。
右を向けと言われたら右を向く。左を向けと言われたら左を向く。正面を向けと言われたら胸を見る。後ろを向けと言われたら振り返る。
これができないのにいきなり「異世界転生」を書くからあまり★が伸びないのです。
まずは書こうと思っていることをしっかり書けるだけの筆力を身につけなくては戦場でものの役にも立ちません。
「訓練」が行き届き、書きたいものが書けるようなったら、初めて「異世界転生」を書くのです。
書き損じも少なくなりますし、物語の展開もわかってくるようになれば、満足のいく★を手に入れられるはずです。
だから「訓練」を惜しまないでくだい。
あなたの努力が正当に報われるには、きっちりとした下準備「訓練」を経ていることが最低条件です。
「訓練」を侮っていると、いつか足をすくわれます。
ウクライナ侵攻をしたにもかかわらず「訓練」不足で数に劣るウクライナ軍に巻き返されているロシア軍のようなものです。
ちなみに現在のロシア大統領・ウラジーミル・プーチンは、おそらく自分をナポレオン・ボナパルトだと勘違いしています。
だから佐官クラスの意思決定を自ら行なうような、非効率的なことをしていると考えれます。
プーチン大統領にはナポレオンほどの軍才はありません。
あったらとっくにキーウを落としてウクライナに傀儡政権を樹立し、ロシア帝国時の領土だった「ノボロシア」を手中に収めているはずですからね。
ナポレオンがロシアを攻めて失敗したのは、短期決戦に打って出たのに長期戦に引きずり込まれたからです。
そして今のプーチンは、同じ轍を踏んでいます。
そのくらい「訓練」と現場の意思決定は兵法で重要とされているのです。
小説賞を獲るためには、いきなり「異世界転生」を書くのではなく、じゅうぶんに「訓練」して、満足のいく結果を得てからで遅くありません。
あなたは結果を焦って、「異世界転生」に突っ込んではいないでしょうか。
まずは「ニッチ」な戦場で地道に「訓練」して足場を固めてください。
いきなり占有率の高い「異世界転生」に挑まないほうが確実です
「ニッチ」を獲れれば「トップ」の「異世界転生」だって存分に書けます。
順序を誤らないことが、成功への鍵を握っています。
「訓練」を軽んじていると、いつか大きな代償を支払わざるをえなくなります。
「ニッチ」だからこそほどほどの読み手がいて、ある程度のPVを獲得できます。
もしあなたがいきなり「異世界転生」に手を出して失敗しているのなら、いったん退却して「訓練」に励みましょう。
基本の反復ほど、実戦で頼りになるものはありませんからね。
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