03

司祭(男)の部屋 早朝

マリアが目を覚まし、隣で寝ている司祭に驚く。マリアはすぐさまベッドから離れる。

司祭(男)が目を覚ます。

アーサーは壁にもたれて眠っている。


司祭(男)「おはよう、マリア。どうしたんだい、そんなに慌てて」

マリア「……痛い……私になにをしたのですか」

司祭(男)「なにを? マリア、なにも覚えていないのか。昨晩、私と愛し合ったではないか。神が下さった愛だよ、マリア」

マリア「嘘……そんなはずがない。……どうして。……聖水になか入れたのね……聖水を飲んでから気分が悪くなって……なにも覚えていない。なにを入れたの、答えて」

司祭(男)「なにを疑っているんだ、マリア。ノー様の血を汚す訳がないだろう。こうなることをノー様が思し召したのだよ」

マリア「嘘! 私を騙したのね」

司祭(男)「落ち着きなさい、マリア」


アーサーがマリアと司祭(男)の声に気づいて目を覚まし戸惑う。

司祭(男)がマリアにゆっくりと近づく。

マリアは近くに置いてある燭台を取り司祭(男)に向ける。


マリア「……こっ……来ないで」

司祭(男)「マリア、誰に向かって言っているんだ。天涯孤独の身であったお前を拾ってやったのは他でもないこの私だ。着る物も、食べる物も、住む所も、神の愛も私が与えたのだ。マリア、お前は私なしでは生きられない。今も昔も。お前は私のなのだ。私に歯向かえばどうなるか分かっているのか」

マリア「頭がおかしくなりそう」


マリアはその場にへたり込む。

司祭(男)はマリアに近づき頭を撫でようとする。


司祭(男)「いい子だ、マリア」


マリアは燭台で振り払う。


マリア「触らないで!」


司祭(男)は驚いて尻餅をつく。

マリアは部屋から逃げ出す。


司祭(男)「待て! アーサー! 逃げたぞ! マリアを捉えろ!」


マリアはアーサーと目が合う。

マリアは走って退場。

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