『艶』はにお江戸、、、天抜き道シリーズ「血の繋がりよりも濃いモンて御座います」

囲 裕道

第1話 プロローグ

おいらの名前は冴木道男。

皆からは“道”だの“道さん”だの“道ちゃん”なんて呼ばれてる。

日本の高度経済成長期の昭和四十年に華のお江戸は下町台東区に生を受けたチャキチャキの江戸っ子。


“大川で産湯を浸かりゃあ大江戸米蔵蔵前の端に入りし鳥越様でおみゃあおみゃあとお宮を参り、喧嘩におなごに放蕩三昧”

とまあこんな感じで成長はしたが、生粋の江戸っ子のおいらは嘘と方便がでえ嫌い!

心も身体も正直モンで御座いやす。


ガキの時分にゃあ散々悪さも致しやしたが、仕事に関しちゃあ真面目で一生懸命。

二十代で会社を起こして堅気の人生をしっかり歩いては参りやした。

したっけ女性関係に関しちゃあだらしのねえ野郎でトラブル続きで御座いやして、彼方此方とフラフラとしちまう始末。


まあこんなおいらの女性遍歴をちょいと語っていきやしょう。


今回の語りはおいらが最後まで行けなかった女性への未練とそのお相手の女性のキッスを目の前で見せ付けられて、むしゃくしゃした勢いで実の兄貴のご指名ホステスを寝取っちまったって話をして参りましょう。



どうぞ最後までお付き合いの程、よろしくお頼申し上げやす。



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