lyric_2

全てを犠牲にしてきた

そのつもりだ

〝キミ〟に全部を捧げてきた

そのはずだった



有る物しか体現できない表現

犠牲と引き換えにボクは空っぽだ



時間、約束、トモダチ そして好きな人


守るべきモノを捨てることしかできなかったボクに

何かを創ることはできるのか?



『空っぽなら埋めればいいじゃないか』


〝キミ〟は言うが


『お前のカンバスはまだ真っ白だ』


透明色の筆で何を描けばいい?



誰も教えてくれない描き方

ボクは戸惑いしかない

為る様にしか為らないのか?


君等のイノチを噛み切ってまで

生きた意味はあるのか?


誰かの気持ちを踏みにじってまで

進んだ意味はあるのか?



それを決めるのは後の〝キミ〟だ

今はまだ決めつけるトキじゃない

酔った頭を殴りつけて

視野を狭めて 前に進むしかない


なあ そうだろ





たまに迷いが頭を支配するんだ

逃避から始まったこの畢生

こんな始まりで続けていいのか?


逃げることからも逃げようとする

そんなボクに響くは鐘声


〝キミ〟に与えられる物も

もう人生しか残っていない

そのイノチも時間がじきない

こんな湿気た生涯で〝キミ〟は満足できるのか



親、過去、トモダチ、そして愛した人


愛すべきモノを捨てることしかできなかったボクに

何かを創る資格はあるのか?



『資格なんか誰にもないんだよ』


〝キミ〟は吐き捨てるが


『お前は誰かにゆるされたいのか?』


赦されなければ カコに殺されてしまうよ



誰からも教わらなかった歩き方

ボクはもがくしかない

成すにはどう生きればいいのか?


大切なモノを捨ててまで

目指した意味はあるのか?


大切なカコを忘れ去ってまで

駆けた意味はあるのか?



それを決めるのは来世のボクだ

今 決めつけるには早すぎるだろ

弱った身体を叱りつけて

過去を無視して 邁進するしかない


なあ そうなんだろ



愛するコトを辞めたのは

自分の意思だ

大切なモノを捨てたのは

自分の意思だ

この表現を始めたのは

自分の意思だ



捨てたカコに貶され続けて


捨てたモノに諭され続けた


今更辞めても何も返ってこないだろ?

それじゃあ ボクはもう行くよ




誰からも教わらない生き方

ボクは叫ぶしかない

成さねばならないのだろ?


ボク等の一生をかけてまで

愛した意味はあるのか?


ボク等の一世をかけてまで

注いだ価値はあるのか?



それを決めるのは後のボク等だ

今 終わらせるには早すぎるだろ

見失った心を拾って

今を睨んで 歩み続けるしかない



なあ そうだろ

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