爆発物を避けろ!

 爆発という物は日常生活においてはあまり馴染みがない。が、この世界ではまるで大気がガソリンと火薬で満ちているかの如く、頻繁に爆発が発生する。建物は破壊され、車は吹き飛び、熱風と爆風があなたを襲うだろう。場合によっては瓦礫の下敷きになって死ぬかもしれない。こうした爆発は、常にヒーローと悪党が関与している。すなわち、このアクション映画世界においては避けられない宿命なのだ。


 爆発が起こりやすい状況は数多く存在する。一番ポピュラーなのがガソリンなどの可燃物を中心とした爆発である。この世界では、可燃性の液体であれば全て爆発すると思ってもらって構わない。例えそれが比較的安全な灯油であっても大爆発は起こり得る。車だろうが飛行機だろうが燃料だろうが、戦いが繰り広げられるとあっという間に爆発するだろう。


 ガソリンスタンド、燃料満載のタンクローリーは特に危険で頻繁に爆発する。そのため、もしあなたが車に乗って給油する必要があるなら、周囲でカーチェイスが起こっていないか警戒しながら給油をするべきだろう。周囲に人がいない事を確認したら、素早く給油を済ませて長居はしないように心がけよう。

 もし、ブレーキを踏む音や、けたたましいエンジン音の重なりが聞こえたら即座に逃げ出し、ガソリンスタンドから離れるべきだ。

 タンクローリーも常々気を配ろう。もし街中で見かけた場合は、必ず距離を置いて近づかないように。走行中に出くわした場合は、車間距離を十分取る事だ。


 次に気を付けるのは爆弾である。

 運悪くヒーローと悪党の銃撃戦に巻き込まれた際は、手榴弾をどちらかが使用する場合が多い。持っていて使わない事は殆ど無いので、もし物騒な緑色の球体を持った人間を見かけたら一目散に逃げるか、爆風や衝撃から身を守れる場所に隠れるべきだ。

 この世界での手榴弾は、現実の手榴弾ほど破片の脅威(多くの場合は、爆風による殺傷と、まき散らされる破片による殺傷のどちらかを重視した設計になっている)は無いが、範囲内の人間が消し炭どころか跡形もなくなるぐらいの威力は持っている。その上、爆発までの時間もかなりルーズだ。

 ヒーローの足元に投げ込まれた手榴弾はすぐには爆発しない。とあるケースでは飛行機のコックピット内に投げられた手榴弾が起爆までに数十秒かかった場合もある(通常は数秒の信管になる)。その一方で、悪党に投げ込まれた手榴弾は秒単位どころか接触した時点で起爆するほど短くなる場合すらある。


 また、高性能のプラスチック爆弾と言った最悪の殺傷兵器も使われる事がある。爆破テロや、施設または大きい乗り物の破壊を目的とした悪党が仕掛けるケースが多く、ヒーローはその解体役、または市民への避難役に準ずるケースもある。

 そのため、悪党が長く滞在した施設には絶対に近寄らないか、施設にいる場合は即座に退避する事をオススメする。爆破の危険性がある。


 ヒーローが爆弾解体をする場合は残っていても問題は無く、むしろ安全なぐらいだと数字が実証しているが、爆発やむなしとなった場合に、律儀に一部屋一部屋回って逃げ遅れたかを確認してくれるほどヒーローに時間的猶予はない。


 船・航空機に爆弾が仕掛けられていた場合は、同乗しているヒーローが確実に解体を実行するだろう。飛行機の話題でも述べたように、ヒーローが乗り続ける限り、その乗り物は安心だからだ。もしヒーローが乗り物から降りたら、同じように飛び降りた方が賢明かもしれない。

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