第2話 スポーツができる人

「ミツマタ高校だったよね?」

突然、電車の中で隣の人に声をかけられて、驚いた。

「俺、サッカー部だった豊川っていうんだけど。」

そう言われると、どこかで見たことがあるようなないような。

「南野中学校だから、同じ駅なんだ。高校の時から、かわいいな。と思ってて。」


「かわいい」の言葉で、すぐに恋のスイッチが入ってしまう私。


引き締まった身体に、ジャニーズ顔。

高校時代、色白でお内裏様のような男の子にずっと片思いしていた私は、色が黒いというだけで、彼は視野に入っていなかったのかもしれない。


車のブレーキランプ5回でサヨナラをしてくれるロマンティストな彼が、

私の誕生日に車のトランクから出したのは、100本の赤いバラの花束。


体育会系ロマンティストな彼は、もちろん、スポーツ、アウトドアが趣味。

運動音痴でインドア派の私だったけれど、それは隠して、デートはいつも彼に合わせてた。

幸いにも、運動音痴に見られないスタイルだったので、スポーツは応援とかでなんとなくごまかしていたけれど、彼の友達とテニスをしたときに露見。

「友達の前で恥をかかすなよ。」

と怒られ、冷却スイッチが入った。





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