私が小説を書く理由 ~執筆四方山話~

高戸 賢二

小説を書く理由

アラフィフのオッサンが、若者に交じって「異世界モノ」なんぞを書いているわけですが。

書き始めたことを成人過ぎた息子に告げたところ、息子にはため息を吐かれました。

息子はライトノベルなんて全く読まないのです。

でも私が若い頃はオタクだったことは知っているので「俺らしいだろ?」と胸張ってやったら「らしいっちゃ、らしいけど」と半ば呆れたリアクションでした。

まあ息子のために書いているわけではないので、ぶっちゃけ息子がどうリアクションをとっても構いません。

ちなみに妻と下の息子には内緒です。


主人公と同じ名前のPNですが、主人公と違い私は妻子持ちです。


書き始めたのはコロナで緊急事態宣言が発令された、去年のGW。

もうすぐ一年になります。

カクヨムに転載するようになったのは去年の12月からですが。

一年で160数話なので、二日に一話アップしてるわけです。

我ながらがんばってると思います。


コロナ自粛の暇つぶしで始めた執筆作業ですが、今やライフワークに近いかもしれません。

金のかからない趣味と言ってもいいですかね。

お小遣いほとんどありませんから。


若い頃は漫画家を目指してました。

数十年ぶりに描いた絵がこちらです。

→  https://32928.mitemin.net/i466578/ 

鉛筆書きのヒロインですが、意外と下手になっていなくてビックリです。


高校の同級生で小説家を目指していた友人がいました。

彼の家によく入りびたり、いろいろな話をしたものです。

漫画よりも小説の方が話が早いこともあり、当時は友人に習いながら私も小説を書きました。

ちなみに友人は大学を卒業後、小説家になりました。

単行本を何冊も出してます。

売れっ子とは言い難いですけどね。

今でも、ちゃんと小説家として食っているのですから、若い頃の夢を叶えた尊敬する人物です。


私が漫画家になる夢を諦めたのは、単純にズボラだったからです。

投稿や持ち込みをするわけでもなく「いつかやるぞ」と思いながらも月日は経ち、気が付けば漫画を描かない生活が当たり前になってしまいました。

テニスやゲームにのめり込み、彼女ができたりすると、漫画を描こうと思わなくなってしまうんですよね。

現実で満ち足りてしまうんです。

物語を紡ごうとする情熱がなくなったんでしょうね。


漫画や小説などの物語を作る原動力って何でしょうか?

私は欲求不満だと思います。

飢餓感と言い換えてもいいかもしれません。

願望や夢、欲望が妄想を作り上げる。

ノンフィクション以外の物語は、やはり妄想の産物なのですから。


若い頃になりたかった漫画家。

叶わなかった、いや叶えようともしなかった夢は、いつまでたっても燻り続けていました。

やっぱり夢はチャレンジするべきだったんでしょうね。

チャレンジすらしなかった夢は、無駄に可能性を断ち切られないまま燻っています。


私は夢に引導を渡したいのです。

仕事がうまくいかないときなど、特に「漫画家になっていた自分」を妄想してしまいます。

現在の自分を肯定するためにも、漫画家にならなかった自分を証明しなければなりません。

今、やっていることは漫画ではなく小説ですが、物語を作ると言う意味では同じだと思っています。

凡庸な結果に終わり「やっぱりお前には才能がなかった」と、現実が正しいと感じるための執筆です。

現実を謳歌するため、妄想にピリオドを打つために、私は執筆しています。

夢を墓場まで持って行かないように、きれいに昇華させるために、全力で書いています。

全力を尽くさないと昇華されないですから。


矢吹ジョーの「真っ白な灰」を目指しているわけです。


上記をネガティブと読むかポジティブと読むかは、捉え方一つでしょう。

私はポジです。

みなさんはポジな気持ちで執筆できてますか?



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