うどんくるんちゅ。

藤井杠

第1話 好きだもの

朝ご飯は、決まってうどん1玉。

始まりは確か中学生の頃だったか。朝にうどんはいいとか何とか言ってたテレビ番組をきっかけにして、この習慣は始まった。


それからはや幾年。

今考えればご飯はおかずを準備するのが面倒だし、パンは食べるのに時間がかかるわりにお腹にたまらないし。(自分調べ)

結局のところ、自分にとっては朝ご飯はうどんがいいかな、って所に落ち着いた。



鍋にお湯を沸かして、スーパーの1袋麺をざっと入れる。適当に茹で上がったかな、と思ったらザルにあけて、湯切りして器に入れる。

(箸でそのまま移すと時間がかかるし何より麺が汁っぽくなる。)

そのときの気分によって、つゆなり梅干しなり、冷蔵庫で賞味期限ギリギリの納豆なんかをてきとーに入れ、食す。




ずるずるずるー

っと、急いでる時はものの数分で食べることも出来る、これもまたうどんのいいところ。

時間があるときは、よく噛むことを忘れずに。

しかしうどんはそんなことお構いなしに口に吸い込まれるように入ってくるのでこちらは黙って啜るしかない。抗うのは難しい。




と、そこへ現れるニューフェイス。その名は『冷麺』

市販のあるものでは茹で時間が驚異の1~2分という、味変ものせる具材も



一時はその目新しさと喉ごしの良さに朝食の座を譲りそうになったこともある。

しかし、今目の前にあるのは茹で上がりのうどん1玉。いつもと同じ器に入れられ、つゆの輝きを麺の乳白色が引き立てる。


やはりうどんに戻ってきてしまう。

そこまでして食べるのには、何か理由があるに違いない。


自分はそこまでしてうどんが好きだと言いたいだけなのか。

まぁ、その辺は置いといて。

麺がのびないうちに、箸を手に取る。



「いただきます。」

まぁとりあえず、今日はうどんにしようかな。


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