第42話事件?

42,事件?


ニャオちゃんの場合はネズミ狩りをするのは無理かも・・・


と諦めていたのだが年が明けた1月19日、ランチの仕事を終えて家に戻ると


今まで見た事もない光景を目にすることになった。


ドアを開けると玄関の三和土にいくつかの鳥の羽毛・・・


?と思い目を上げると廊下にたくさんある。


映画のシーンでよく羽毛の座布団を破いて中の羽毛が飛び散り舞うのを


よく見るがまさにそれだ。


家に羽毛の座布団なんかないのにこれはなんなのだろう。


そっと三和土から上にあがる。


空気が動くだけでふわふわと羽毛が舞う。


部屋の中がどうなっているのか確認したくはない。


でも他に見てくれる人がいるわけじゃなし・・・そろりそろりと居間に入る。


中は羽毛だらけである。


動くだけでふわふわ舞っている。


畳一畳分位はありそうな羽毛がモモ子用のベッド代わりにしている


座椅子のあたりに浮いている。


その真ん中でハトが死んでいた。


首のあたりに少し血が付いているが他に外傷はない。


とりあえず悲惨な状態を目にしなかっただけでも良かった。


姿を見ないようにタオルで包んで袋に入れてから羽毛を掃除した。


ここで格闘をしたわけではなさそうなのに


この羽毛の量はどうしたことだろう。


掃除が終わったころモモ子が二階から降りてきたが関心を示さなかった。


モモ子の仕業ではないようだ。


となるとニャオちゃんの仕業という事になる。


ニャオちゃんの体格でハトを咥えて下から屋根伝いに二階に運び、


部屋に入り階段を下り下の部屋まで運べるだろうか。


雀とは比べようもないほど大きいので考えられない。


ではモモ子だろうか。


二階の窓に迷い込んできたハトをモモ子が捕まえて下まで運んだという事だろうか。


モモ子の曾おばあちゃんのルーシーなら簡単な事だが、


モモ子にはその猟犬の素質はない。


とっさに咥えたとしても下にまでは運ばないだろう。


しかもモモ子の仕業だったら私が見つけた時ほめてもらいたくて得意顔をするはずだ。


臭いさえ嗅ごうとしなかった。


ニャオちゃんの姿はない。


せめてその顔でも見ればある程度推察できるのに・・・






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