第32話ニャンコ、また狩りをする。

32,ニャンコ、また狩りをする。


 ある日,縁側に置いてある犬の餌を


白地に黄色のブチの猫が食べているのに気が付いた。


そこにニャンコが戻って来て威嚇し始めた。


毛を逆立ててカァー歯をむき出しにして今にも飛び掛かりそうである。


黄色ブチの大きな猫はソロリソロリと後退し始め隙を見てサッと逃げ出した。


体格はニャンコの倍はありそうで小型犬と見間違ってもおかしくはなかった。


それでもニャンコの方が強い。


女は強しというところかな。


同じ女でもモモ子の方はボ~としている。


この猫同士の攻防をよそ見していて気が付かないのである。


モモ子が顔を向けたころには黄色のブチ猫は


隣の家に逃げていた。


さて、ニャンコのネズミを捕る才能は劣らなかったようである。


ある朝、階下でドタンバタンと物音がしたので起きだしていくと


まだ息のあるネズミを咥えて意気揚々としているニャンコがいた。


生きたまま私に獲物を進呈したいのか目の前で放す。


ちょろちょろと動くネズミ・・・


わー!きゃー!と叫びたいのをぐっとこらえ


「よくやったね、ご苦労さん、有難うね」とニャンコをほめる。


すると調子に乗ったニャンコちゃんはまた、ネズミを咥える。


私に褒められたくてわざとこれ見よがしにしているのか、


私の後から降りてきたモモ子の前でニャンコはネズミを放し、


わざとその目の前でとってみせる。


もしかしたら私にではなくモモ子に見せているのかもしれない。


当のモモ子は非常に迷惑そうな顔をして私に助けを求めてきた。




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