第8話 宴の始まり

歓迎の宴は 華やかなものであった


「エリンシア姫・・我が王妃 黒の王妃アリアンです」

「アリアンですわ エリンシア姫」

黒の王 竜王に紹介されて アリアンは微笑んで答える


「見事な金の髪に変わった 美しい瞳の持ち主ですね エリンシア姫」


「有難うございます」


「娘のテインタル姫です」

「テインタルです これから宜しくお願いいたします」

美貌の母親に似た 綺麗な顔立ち 焔の瞳を持つ少女


「アリシュア王子です」

アリアン付きの女官の腕に抱かれた王子・・すやすやと眠っている


先程、赤ん坊を見た時にはその瞳は金色


どうやら先読みの予言では 次の王は焔の力を受け継ぐ者

火竜王(サラマンデイア)を名乗り黒の王となるはずの者


赤ん坊は焔の力は受けつかなったようなのだが・・?


・・少女が女王となり、この黒の国を受け継ぐのだろうか?



黒の王と赤ん坊の王子の金色の瞳


火、水、風、大地すべての属性と守護を合わせ持ち それらの魔法を全て使いこなす

また、先読み・・過去見と予知の力を持つという


ゆえに 竜の王と呼ばれる


「エリンシア姫は羽琴の名手だという御話を聞きましたが?」


「はい 白の宗主様の御前や宴では よく演奏いたしました」


「では 一曲 所望しても構いませんかな?」黒の王アージェントが問う


「はい 黒の王様 なんなりとご所望の曲をどうぞ・・」とエリンシア姫は微笑み答えた


見つめる黒の王・竜の王の金色の瞳に 

何か心の琴線に触れる思いをエリンシアは感じた


それから 何事もなく、平穏な日々の数か月の時が流れ・・

エリンシア姫は この黒の王宮に庭の眺めの良い大きな部屋を与えられ

数人のエリンシア付きの女官が従い 事細かい要件をこなしてくれた

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