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Climax01―擬態の襲撃者

 蛮族のねぐらで蛮族の首領を見事討伐した冒険者達は、ピアの待つマグノア草原国の村に帰還した。


GM:皆さんが帰還すると、ピアが駆け寄ってきます。

シア:「ただいま。」

ピア(GM):「無事に帰ってきたわね。首尾はどうかしら。」

テオドール:「少々危ないところもあったが、全員無事に帰ってくることができた。蛮族も問題なく討伐できたぞ。」

エルゼン:「なかなか怖いんですね、蛮族って。」

タービン:「ボルグとかフーグルマンサーが居たよ。」

ピア(GM):「大方こちらの想像通りね。もっと手強い蛮族が出なくて良かったわ。」

テオドール:「今から列車に乗れば、試験終了には間に合うのか。」

ピア(GM):「ギリギリってところね。」

テオドール:「ならば、多少急いで帰るしかないようだな。」

エルゼン:「お土産ーーーッ!」

シア:「ほら、さっさと帰るよ。」

ドジソン:「休めるわけじゃないんだね。」

テオドール:「帰りながら各自で休むタイミングを見計えばいいだろう。常に仕事をしているわけではないから、交代でやっていこう。」

ドジソン:「う、うん。」

タービン:「運転はこっちがするから大丈夫だよ。ボクは帰ってからゆっくり休むから。」

ベルク:休む(煙草)。

タービン:うーん、どんだけ吸うんだろうね(笑)。

エルゼン:絶対に財布を圧迫してる。


GM:というわけで、皆さんは列車に乗り込んでマグノア草原国からキングスフォールへと出発します。

タービン:確か丸一日掛かるんだっけ。

GM:そうそう。そして、その道中のことです。線路の傍で手を振っている人物を見つけます。

ベルク:なんだろう。

GM:近づいてみると、乗せてくれと大声で叫んでいるみたいですね。

タービン:客か。ブレーキ弁を上げてブレーキを掛けます。

GM:ちゃんと停車することができます。乗ってきたのは一組の男女のようですね。

エルゼン:「この列車はキングスフォールへ向かっていますが、大丈夫ですか。」

女性(GM):「キングスフォールへ行きたかったので、丁度良かったです。」

タービン:「それはよかった。」

GM:フードを目深に被っている女性は商人のような恰好をした男性とともに列車に乗り込んでいきます。

タービン:「じゃあ、発車するよ。」

エルゼン:「行きましょー。」


GM:発車して間もなく。ピアが運転席にいるタービンさんのところまでやってきます。

ピア(GM):「冒険で疲れているのだから、少し休んだほうがいいんじゃないかしら。」

タービン:「いやぁ、運転席ほど落ち着く場所はないよ。ボクは帰ってから寝るんだ……」

ピア(GM):「いやいや。相当疲れが出てるわよ。」

タービン:「大丈夫大丈夫。今なら片輪ドリフトで速度が上げられるよ。」

ピア(GM):「それはやめてちょうだい。」

ドジソン:タービンさん、目を開いたまま気絶してそう。

タービン:「じゃあ、ちょっとだけ休むことにするよ。」

GM:では、ピアに運転を任せて運転席を離れます。そして、皆さんは食事をするために食事処へと集まりました。

エルゼン:集まった。

GM:そこには先ほど乗ってきた男女も居ます。フードを目深に被った女性は皆さんに話しかけてきます。

女性(GM):「えっと、皆さんは冒険者なのですか。」

ベルク:「そうっすよ。」

エルゼン:「まだ見習いですけど。」

タービン:「試験はこれでスルーできるし、冒険者と名乗っても大丈夫じゃないかな。」

女性(GM):「試験?」

テオドール:「俺達は試験途中だったんだ。いや、正確には試験が終わった帰り道か。」

シア:「帰るまでが試験だからね。」

男性(GM):「というと、この列車はまだ正式なものじゃないのかい。」

エルゼン:「試験運用をしている最中かな。」

男性(GM):「つまり、君達は新人の冒険者で、列車も新品なわけだ。」

エルゼン:「そうなるわね。」

GM:女性と男性は小声で何かを喋っているようです。

エルゼン:聞き耳をたてられますか。

ドジソン:いや、ここは妖精魔法で……と思ったけど、さすがにやりすぎか。

テオドール:さすがにそこまではしないんじゃないか。ドジソン、そこまで狡い?

シア:しないほうがいいと思うな。

ドジソン:PCも絶対にやらなさそうだからやめておこう。

GM:無難に聞き耳じゃないかな。


【判定結果】

エルゼンが出目6で達成値9。

テオドールが出目9で達成値12。

(その他、平目につき省略。)


エルゼン:本当に期待値すら出ないな。

ベルク:やっぱり私スカウト取った方がいいかな。

エルゼン:この会話、昔聞いたことあるぞ。

GM:9じゃ聞き取れないけど……

テオドール:12出しました。聞いてほしくないなら変転するけど。

GM:12ならまあ、大丈夫。

男性(GM):「都合がいいな。」

女性(GM):「ええ、そうね。」

GM:と、二人は言っているようです。

テオドール:ふーん。とりあえず警戒しつつ黙っておくか。

GM:女性は皆さんに振り向き、語りかけます。

女性(GM):「それは皆さん素晴らしいですね。」

エルゼン:「う、うん?はあ、ありがとうございます。」

ドジソン:「二人はどんなことをされている方なんですか。」

男性(GM):「それを知りたいのかい。」

ドジソン:「ぼ、僕達も話したからさ。」

男性(GM):「私達は君達のような冒険者が乗る列車を襲うのが仕事なんだ。」

PL一同:(笑)

ベルク:知ってた。

テオドール:まあ、うん。

タービン:「つまり、客ではないということだね。」

エルゼン:がおーっていいながら獣変貌します。

ドジソン:「な、なるほど。って、ええーっ!?」

シア:あーあ。

女性(GM):「そんな都合の良い列車と出会えるなんて、私達もツイているわね。」

男性(GM):「そうだな。こいつらを殺して私達のモノにしてしまおう。」

GM:女性はフードを取って正体を現し、男性は人化を解いて蛮族の姿に変わっていきます。

ベルク:「私達、疲れてるんすけど……」異貌します。

ドジソン:ひぃ。

テオドール:やっぱりこのメイド、ヒットマンかスイーパーの類だよね。

シア:「もうひとふんばりしなきゃねぇ。」

GM:皆さんはHPとMPを最大値の半分だけ回復させてください。

テオドール:やっぱりまだ戦闘があったな。

エルゼン:まだシナリオ終了とは言ってなかったからね。

テオドール:「やはり列車を狙う不届き者がいたようだな。」

ベルク:「でも、好都合じゃないっすか。エルゼンさんに濡れ衣を着せた犯人の仲間かもしれないっすよ。」

エルゼン:「バウバウ。」

ベルク:「鳴き声が変わってる!?」

タービン:「怒ってるみたいだね。」

ベルク:「なるほど。私もちょっと今回は怒ってるっすよ。」

ドジソン:「二人が変身してて怖い。」

GM:では、真のボス戦を始めていきましょう。


(戦闘準備はお互いに特に無し。)


GM:では、さっそく魔物知識判定だ。二体で二種類だね。

タービン:了解。


【魔物知識判定】

・タービン

①出目3、達成値9

②出目8、達成値14

(その他、平目につき省略。)


GM:両方知名度しか抜けていないね。

タービン:なんだと。2体目は自信あったんだけどな。

GM:1体目はレッサーオーガ。人化で有名だね。

ベルク:お、レッサーオーガ君ちーっす。

GM:2体目はなんとメデューサだ。

タービン:メデューサ!?

ドジソン:うわぁ。レベル4の蛮族。

GM:ボルグ如きが最後のボスだと思ったか。

タービン:声援、さっきの戦闘で使っちゃったな。

シア:こっちもカードは使いきっちゃった。残っててBカードぐらい。

テオドール:安心しろ。声援どころかまだ変転も残してる。

エルゼン:「ワンワンワン。」

ベルク:「これは何言ってるか分かるっすよ。卑怯者って言ってるっす。」

テオドール:「人に擬態する蛮族か。あまり見たことがなかったが……」

GM:レッサーオーガはともかく、メデューサも髪さえ隠せば擬態できると思うんだよね。人間の女性によく似た外見をしているとか書いてあるから。

タービン:うーん、これ誰かに声援を貰えればメデューサの弱点が抜けそう。

エルゼン:じゃあ、残ってる最後の一回分をあげるよ。

タービン:わぁい。これで物理ダメージ+2になるね。

テオドール:それはかなりでかい。

ベルク:メデューサ、ワンチャン即死しない?

テオドール:いや、メデューサを初手で即死させないとまずい。石化進行持ってるから器用を下げられると命中がかなりきつい上に、うちのパーティの敏捷を思い返してみて。

タービン:(笑)

ドジソン:そうなんですよねぇ。8!9!9!10!12!

テオドール:つまり、敏捷2回連続で下げられると後衛でも即アウトなのよ。メデューサはバジリスクみたいな邪視じゃなくて手番終了時に自動的に発動するタイプだから本当に厄介。コンジャラーが居ないからカウンターマジックによる精神抵抗も出来ないし、被害の少ないうちにメデューサを最速で落とすことを考えよう。

エルゼン:おっけーおっけー。

シア:了解。

GM:先制判定は今回はしなくてもいいよ。先制値が高すぎるから厳しいでしょ。列車内だから敵より地の利があるということにしましょう。

エルゼン:やったー。


(次回は二体の蛮族との戦闘を行っていきます。)

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