Middle06―迫りくる扉の罠

 眠っているフッド達に闇討ちを仕掛け、殲滅することに成功した冒険者達。

 だが、フッドを指揮しているリーダー格の蛮族はまだ見つかっておらず、引き続き蛮族のねぐらとなっている洞穴を探索していくのだった。


エルゼン:順当にこの部屋の扉を進んでいけばいいかな。

テオドール:そうだな。順番に探索しよう。

GM:扉を開けますか?

テオドール:開けますよ。さっきと同じように、斥侯(スカウト)の技能があるエルゼンを先頭にしよう。

エルゼン:「失礼しまーす。」と声を潜めて開けます。

ベルク:そういう問題ではない。

タービン:「それは言わなくてもいいと思うよ。」

GM:エルゼンさんは危険感知判定をどうぞ。


【判定結果】

エルゼンが危険感知判定を行い、出目3で達成値6。


GM:出目ひっく!なんだそれ。

テオドール:駄目じゃん。

エルゼン:エルゼンさん?

タービン:失敗かな、これは。ボクがやったほうが良かった?

エルゼン:ま、まぁ。危険感知判定かどうか分からなかったしね。

GM:扉を開けようとしたエルゼンさん。突然叩きつけられます。

エルゼン:えぇ……

タービン:一体何に叩きつけられたの。

GM:その扉にだよ。

ベルク:(笑)

エルゼン:バァン!

GM:エルゼンさんは-2のペナルティ修正を受けて回避力判定をどうぞ。


【判定結果】

エルゼンが回避力判定を行い、出目6で達成値10。

ダメージは出目10で17点の物理ダメージとなり、エルゼンは転倒状態となってしまう。


エルゼン:17点!?防護点込みで14点受けます。

ドジソン:そういう類の魔物か。

GM:この魔物は何者か、魔物知識判定をどうぞ。


【魔物知識判定】

タービンの出目7を出して、達成値13。

(その他、平目につき省略。)


GM:ちゃんと弱点まで抜けていますね。この魔物はドアイミテイターです。ドアに擬態する魔物です。

テオドール:あー。

タービン:レベル3、強い魔物が出てきたね。とはいえ、弱点が物理ダメージ+2なんで、物理の方お願いします。

GM:運がよかったね、君達。フッドをそのままにして扉を開けようとしたらこれで飛び起きるところだったのに。

エルゼン:「痛いよぉ。」

ベルク:「そんなこと言ってる場合じゃないっすよ。敵っす。」

テオドール:打撃点が高いけど、HPは低いから速攻で蹴散らすしかないな。


(肝心のエルゼンの攻撃は当たらず、ベルクがかなり大きなダメージを喰らってしまうが、何とか撃破に成功する。)


テオドール:「ふむ、被害が大きくなってしまったな。騒ぎを聞きつけてやってくる蛮族も居なさそうだから、一旦傷の手当だな。」

エルゼン:「わふ。」

タービン:「休憩の時ぐらいは獣変貌を解いたほうがいいよ。」

ベルク:「そうっすよ。」

テオドール:「魔力の消耗もそこそこだな。魔香草は誰か持っているか。」

エルゼン:「わふ。」魔香草を手渡します。

テオドール:解いたんじゃなかったのか!?

エルゼン:仕方ないなぁ、解くよ。3個渡したよ。

GM:実は君、言語通じないロールプレイ好きでしょ。

エルゼン:とってもしゅき。

テオドール:「では、まずは一番魔力を使っているタービンだな。」

タービン:「こっちの煙のほうが身体に良さそうだね。」

テオドール:魔香草って本当に身体に良いのか?

GM:さあ。

テオドール:とにかく10分費やして使用します。


(更にタービンにもう1回魔香草を使用し、その間に前衛の傷の治療も済ませた。)


テオドール:「さて、こんな大層な罠を仕掛けているのだから、少々この扉の先が気になるところだが。」

タービン:「そうだね。お宝部屋だったりして。」

エルゼン:「あまり期待できなさそうだけど。」

ベルク:「行ってみればわかるっすよ。」

GM:では、先に進むと、ぱっと見村から盗まれた物品が積まれた部屋に出ます。金品財宝というほど、質も量も良くはないですが。

シア:「おー、宝物庫ね。」

テオドール:「どうやら盗まれたものはここに置かれていたみたいだな。」

シア:「そうだね。後でちゃんと持って帰ろうね。」

タービン:「煙草がいっぱい買えそうだよ。」

GM:持ちきれないほど多くはないよ。メタ的に言うと、1000ガメル相当の金品とダイスで決定するアイテムがある部屋だ。

タービン:こんなところに列車の部品が。

GM:ねえよ(笑)。

タービン:これは、限定発売の煙草。

GM:それもない。どんだけ薬中なんだ。どなたかダイスロールをお願いします。

タービン:振ったよ。

GM:ふむ。怪力の腕輪になるね。

タービン:「ほうほう、これは怪力の腕輪だね。前衛の人が持てばいいと思うよ。」

テオドール:怪力か。

エルゼン:私は筋力を+2しても変わらないからいいよ。

テオドール:ベルクも今12だから変わらないな。こっちで付けておこう。

タービン:了解。

GM:当然ですが、宝物庫より先の道はないみたいです。他の部屋に向かうためには、分かれ道に戻る必要があります。

テオドール:「では、一旦戻るか。」


GM:財宝を取り戻すことができた冒険者達は、分かれ道まで戻ってきました。しかし、依頼は蛮族のリーダー格を倒すことですので、更に奥まで進まなければいけません。

ドジソン:「こ、これで終わりじゃないんだよね。」

エルゼン:「ここのボスを倒さないといけないからね。」

テオドール:「そうだ。次は暗い横穴じゃなくて松明で照らされているほうへ行ってみるか。」

ドジソン:「逃げてくれると嬉しいんだけどなぁ。」

エルゼン:「それはそれで別の場所で被害が出るのではないかしら。」

シア:「気を付けていこうね。」

ドジソン:「はぁ、戦わないと駄目か。」

GM:お前別の仕事のほうが良かったんじゃないの。

タービン:冒険しようよ(笑)。

GM:では、明るい方の道を進んでいきますと、また同じように扉があります。

エルゼン:んー、んー。さっきの記憶が蘇るけど、普通に開けます。

GM:普通に開けますか?

タービン:2回は続かないでしょ。

テオドール:なんにせよ、気を付けて開けたほうがいいぞ。

エルゼン:じゃあ、探索判定で罠がないかどうか確認します。

GM:いいよ。


【判定結果】

エルゼンが探索判定を行い、出目5で達成値8。


エルゼン:ふう。

GM:探索判定の才能がない。

エルゼン:扉をぶち壊したい衝動を抑えつつ、普通に開けます。

GM:なるほど。エルゼンさん、罠回避判定どうぞ。

エルゼン:ちゃんと調べたのに!


【判定結果】

エルゼンが罠回避判定を行い、出目5で達成値8。


GM:8では駄目だね。

エルゼン:うーん。

ベルク:さっきと出目が変わらない。

GM:扉の裏にあるベルに気が付かず、思いっきり鳴らしてしまいました。

テオドール:思いっきりお邪魔しちゃったじゃないか。

シア:あはは。

タービン:「呼び鈴鳴らしちゃったから誰か来ちゃうよ。」

ドジソン:「まずいよこれ。」

エルゼン:ベルが鳴ったのを見て怒りのあまり扉を叩き割ります。

ベルク:ここまでの流れ好き。

GM:扉から見て右側の部屋から、なんだなんだと蛮族が出てきます。

シア:あーあ。

タービン:「お邪魔します。宅急便です。」汎用蛮族語で。

GM:「人族に頼む宅急便なんかねえ。」戦闘です。

タービン:「駄目だったよ。」

GM:君達は本当にダンジョン探索が下手だよね。

ベルク:違います。約一名が悪いだけです。

エルゼン:ちゃうねん。出目に言ってくれ。

テオドール:「冗談を言っている場合か。」

シア:「前途多難なパーティだね。」


(同じくフッド達だったが、エルゼン怒りの四回転レイピアにより、特に苦戦することもなく戦闘を終える。)


GM:では、戦闘を終えた皆さん。部屋には左右にそれぞれ扉があります。右側は先ほど蛮族が開けたので開きっぱなしです。

エルゼン:扉を叩き壊します。

GM:壊されました。

エルゼン:じゃあ、中に入ります。

GM:普通に入るのかよ。しかも、仲間の意見も聞かずに。

ドジソン:ちなみに中は暗いですか。

GM:暗くないですよ。

ドジソン:中に何があるかは見えますか。

GM:入り口からだと机が見えるね。

エルゼン:エルゼンが見える。

GM:そうだね。

ドジソン:「エルゼンさん、もう中に入っちゃったのかい。」

GM:既に中に入っちゃったなら描写するけど、大きな机に何か飲み物のようなものが置かれている。部屋のイメージは詰所や休憩室の類かな。

ドジソン:元々人間が使っていた場所を蛮族が使っている感じなのかな。

GM:いや、蛮族が穴を掘って盗んだものでそれっぽくしてるだけかな。

ベルク:それを使う知能はあったんだ。

エルゼン:扉を作る知能があったことにびっくりだわ。

タービン:「こんなものがあるとなると、フッドじゃないと思うな。そこそこ頭の良いのがいるんじゃないのかい。」

エルゼン:「そうなると警戒したほうがいいかもしれないわね。」

テオドール:「その通りだな。」

シア:「ここまで罠があるのですから、知恵の回る方がいるのでしょうね。」

ドジソン:GMのハードルが上がっちゃうよ。

テオドール:そういうことじゃない(笑)。

シア:違う違う。

GM:何のためにシナリオ書いてると思ってるんだ。

エルゼン:とりあえず、探索判定で部屋を調べてみてもいいですか。

GM:いいよ。


【判定結果】

エルゼンが探索判定を行い、出目3で達成値6。


エルゼン:はい。

GM:君の探索能力が終わってる。

ベルク:意気揚々と突っ込んでいった結果がこれだよ。

GM:次のセッションでは斥侯(スカウト)の追加を希望します。

テオドール:やっぱり斥侯(スカウト)取らなきゃ駄目だよ、みんな。経験点が余ったらでいいから。初期作成は仕方ないとして。

ベルク:そうだね、取るか。ここの探索判定も平目で振っておこう。

タービン:そうだねぇ。

ドジソン:「み、みんな。エルゼンさんを信じないの?」

ベルク:「うん。」

PL一同:(笑)

シア:「あんなに罠踏んでるしね。」

エルゼン:「そ、そんな。皆信じてください。」

タービン:うおお、煙草がないか探すぞ。

GM:お、タービンさんが平目で出目11を出した。煙草の一本ぐらいはあったことにしてもいいかな。

タービン:やったぁ。

GM:ここは先ほども言ったように休憩室だから目ぼしいものは特にないよ。


(タービンの煙草談義が始まるが、丸々カットされる。次回はいよいよボス戦となります。)







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