初秋

 ☆STEP 1


 ハードボイルドは大変豊かなジャンルで、偏狭なミステリマニアが思いも寄らないほどのポテンシャルを持っています。実にいろいろなことが描けます。そういう意味では、型通りの名探偵ものなんてのは、案外、つまらないもので過剰にありがたがるのもちゃんちゃらおかしい、のかも、しれません。うーん、批判的な物言いはどうしても歯切れが悪くなりますね。

 ロバート・B・パーカーの傑作です。ビール好きの私立探偵、スペンサーを主役にしたシリーズの一つなのですが、これが実にいい。

 なんでしょう、早川ではなく新潮文庫から出ていたら「夏の100冊」みたいな企画に選ばれて、読書感想文の推薦図書に選ばれてしまいそうな作品。別に感想文なんて書かなくても面白いものは面白いし、あのシステムは本嫌いを量産するものでしかないような気がするので、あまり「読書感想文の推薦図書」的なものは好きではないのですが。

 なんでしょう、喜々として先生に受けそうな読書感想文を書いている連中と付き合えない「ぼっち」な中学生に合いそうな作品。

 では、英訳作業に入りましょう。

 まず「秋」はオータム、スペルは【outam】かなぁ。【autam】か。いや、フォールというのもあったな。「秋の日は釣瓶落とし」で「落ちる」のフォール、【fall】も秋だったような。

 問題は「初」。初夏の「初」。時間軸として前のほうという意味でしょう。それならば、「早朝」が【early morning】だったはず。そうか【early】か。



 ☆STEP 2


 というわけで


 “Early Fall”


 で、どうでしょうか?

 たぶんオータムなんだろうけれど、スペルに自信のあるフォールにしました。いや、胸を張れるならば、アルファベットで書きなさいよ。




 ☆STEP 3


 正解は


 “Early Autumn”


 でした。


 そっちかー!

 まぁ、ものの見事にスペルはミスっていましたが。

 私、ビールが好きなのですが、もしかしたら、これは『初秋』の影響なのかもしれません。

 関係ないですが、これ、夏休みに読むべき物語のような気がします。

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