流星の涙とサヨナラの夜


 きっと僕が勝手なんだよ

 なんとなくわかっていたんだ

 星も見えない夜に

 空がすすり泣く夜に

 僕はやっと

 君を自由にした



 君しかいないのは本当だった

 こんな馬鹿に付き合ってくれるのなんて

 見捨てないのなんて

 きっと君くらいしかいないって


 でも君のそれは優しさなんかじゃなくて

 そうする以外に知らないって

 わかったときに やっと僕は

 自分の罪の重さを知った



 ぬくもりは欲しいけど

 面倒くさいのは嫌だ

 反吐が出るような本音

 こんな僕に

 一体誰が応えてくれるの


 甘えさせるようなフリして

 本当は僕が甘えてた

 僕はいつから独りだったの



 先に大人になったのは君

 頬を撫でた冷たい手

 流星のように綺麗な涙

 震える声で切なげに

 もう知らないよって言ったよね


 独りじゃ生きていけないくせに

 きっとそういう意味だよね

 君は本当に優しくなってしまった



 いいんだ

 僕が勝手だったんだ

 もう自由になって

 好きなところへ行って

 好きな人を愛して

 振り向かないで


 おかしいな

 星が降り注いでる

 さあ 早く

 僕のみっともない声が溢れ出さないうちに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る