青春死体! 続けや!


 本日も曇天なりー。


「魔女ー、野球しようぜー」

「何よ藪から棒に」

「やっぱそれ決め台詞に――」

「ふん」

「あっ、そっぽ向かないでください」


 吸血鬼はなんとか魔女を説得し、ゾンビを引き連れ尸解仙の下へ。ちなみに

ルシフェルは魔女の使い魔なので魔女が付いてくる時点で同時に付いてくる。


「なによ」

「野球しよう」

「……報酬は」

「ホームラン〇ー」

「乗った」


 安いな尸解仙。

 という訳で始まりました河原の野球場でリアル野球盤!


「あ、マジの野球じゃないんだ」


 この作者に九人も扱えると思うたか尸解仙。


「でも五人だとチーム分けし辛いですよ?」

「ルシフェルは審判なー」

「ゾンビ・吸血鬼チームと魔女・尸解仙チームという事ですか」

「話が早くて助かるね」


 第一球目、ストレート。

 魔女の空振り!


「杖ならなぁ!」


 第二球目、カーブ!

 振り抜いたぁ!


「杖(以下略)」

「おい真面目にやれ魔女」


 お次は遅いストレート!

 これの真を捉える魔女!

 ボテボテの内野ゴロ!

 アウトゾーンに吸い込まれる!


「スリーアウトチェンジ」


 ルシフェル無慈悲なカウント。


「うーあー」

「スリーアウトチェンジ」


 ルシフェル無慈悲なカウント。 


「ふふ、仙術の恐ろしさ見せてあげるわ……!」


 第一球! 速いストレート!

 これを思い切り捉える!

 渾身の! ホームランだー!


「フッ……」


「0-1」


 まだも尸解仙のターンは続く。

 

「0ー2」


 尸解仙はどんな変化球でもボールを捉える。

 これはマズいと吸血鬼がタイムを入れる。

 ピッチングマシーンになにやら細工をしている。

 終わったようだ。ルシフェルによるピッチングマシーンチェックが入る。

 異常は確認されず。


「ヨシッ!」

「何を見てヨシッって言ったんですか」

 

 無論、細工はされている。

 吸血鬼の血でコーティングされたボール。

 吸血鬼は血を操る事が出来る。


「赤血〇術……だと!」

「うちの呪術好きの尸解仙が反応しちゃったじゃないのよもー」


 そんな訳で超変化球。

 バットに当たらないように動くボールを打てるはずもなく。


「スリーアウトチェンジ」


 ルシフェルの適当なカウント。


「ふっ……俺のターンだ!」

「うーあー!」

「ありがとうゾンビ……お前にはあ〇きバーを買ってやる……」

「新手の拷問か?」

「ふざけんな美味いだろあ〇きバー! ホントにふざけんな!」

「あの硬さはゾンビには無理だって」

「うーあー……」


 ゾンビはしょんぼりである。


「えっ、そうなの、ダメなの?」


 なんだろう、あ〇きバー好きの人に謝らないといけない気がする。


「まず会社の人に謝れや」


 井〇屋さんごめんなさい。


「いいから打たせろォ!」


 吸血鬼が叫ぶ。ピッチングマシーンが唸る。

 轟音と共に球が飛ぶ。

 置かれたキャッチャーミットを壊して壁に突き刺さった。

 よくよく見ればピッチングマシーンの下に魔法陣が敷かれている。


「ジャッジー!」

「はいはい」


 ルシフェルによるピッチングマシーンチェック。

 下の魔法陣は消えている。


「ヨシッ!」

「どうして……どうして……」


 泣きながらどこかに電話をかける吸血鬼。

 そのまま完封され、勝者は魔女・尸解仙チームとなった。

 勝者にはホームラン〇ーが箱で与えられた。

 吸血鬼払いで。


「これで勝ったと思うなよー!」

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