第12話 カルパド

 カルパド。

 そいつは確か、そんな名前だった。

 どんな奴だったか、と言われるとそうだな。

 ちょっと不器用でとっつきにくい奴、といえばいいかな。

 団員との関係も、仕事への姿勢も特に問題はなかった。

 タージュとも何度か話をしたことがあったな。

 だが、どこかぎこちないというか、集団の中にいるという理由からやっているというだけで、本人は人付き合いを好きではなかったようだ。

 …そうだな。

 それは、一人になってしまった君にとっては何よりの憧れだろうな。

 それが普通にできてたあの頃は、それを嫌がる者も大勢いたのさ。

 次第にそいつは、V’sヴイズの中で頭角を現すようになっていった。

 特に大型のビヒモスに対抗するために造られた兵器を、自分の手足のように使いこなしていたな。

 ただ、残念なことにその圧倒的な実力も、そいつをさらに孤立させてしまう原因になってしまったんだ。

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