第10話 V's

 タージュ持ち主が配属されることになった、アンセス大陸進攻ビヒモス捕獣部隊は、通称V’sヴイズと呼ばれていた。

 "V"とは、他者の血を吸い取って生き永らえる怪物ヴァンパイアの名前から取られている。

 いや、実際にはそんな怪物はいない。

 かつての人間たちが、好奇心と恐怖から生み出した虚構にせものでしかない。

 ビヒモスあの怪物が、初めての現実ほんものだったのさ。

 初めの頃は、ビヒモス討伐の手段として重火器を使っていたタージュたちであったが、奴らの血ブルート資源資産になると気づいた後は、銛を射出するような、原始的な武器が使われるようになっていった。その武器の名前は何だったかは…あまり覚えてないな。

 なぜ武器を替えたのかって?

 倒したビヒモスから血液ブルートを採る際に、撃ち込んだ銃弾異物が邪魔になるからさ。

 ちなみに、討伐後の血液ブルートの抽出もV’sヴイズの仕事さ。

 タージュは部隊内では、討伐担当ハンターの方だったが、個人的には抽出セイラーの方が向いていたとか言っていたな。

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