被爆した山王神社

広島の原爆ドームのように、被爆した建造物は長崎には無いのだろうか?浦上天主堂は、原爆投下で、ほぼ原型を留めぬまで破壊され、今は建て直されている。以前訪れた時に初めて見た、山王神社のニの鳥居が唯一の原爆の被爆建造物だろうか?この鳥居は、原爆の爆風により片方の柱が吹き飛ばされ、今は片方の一本柱だけで立っている、片足の鳥居とも言われている。長崎市内、坂本町にある山王神社、1638年、島原の乱の鎮圧の為、長崎に赴いた松平信綱が、浦上街道沿いの地を通りがかった際、その景色が近江の比叡山に似ており、地名も比叡山の鎮守である山王権現(現、日吉大社)の鎮座池坂本(滋賀県大津市坂本)と共通する事から山王権現の観請を思い立ち、長崎代官の末次平蔵と計って「山王神社」と創祀されたと伝わる。そういえば、坂本町という地名も大津市坂本から付いたのだろうか?山王神社には、一の鳥居とニの鳥居があったという、階段坂の前に一の鳥居があった痕跡がある。原爆投下の時は無傷で残っていたが、1962年に交通事故で倒壊した。倒壊後は撤去された、被爆遺講に対する関心が低かった為だったという。階段坂を昇ったところに、一本柱の鳥居がすぐ目の前にそびえ立っている。原爆に被爆してから今日まで、70年もバランスよく立っていたものだ。鳥居をくぐり抜け、山王神社本殿に向かう途中の参道の片隅に、爆風で吹き飛ばされた鳥居の残骸が展示されているかのように置かれていた。山王神社本殿までは行かなかったが、本殿の敷地内に巨大なクスノキがあるみたいだ、このクスノキも、原爆の被爆に遭っていた。被爆クスノキと呼ばれているようだ。

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