第12話 トリガー

そこは、果てしなく広がる暗闇。


道なき、暗闇。


歩いても歩いても、広がり続ける暗闇。


ここは、どこ?

僕は、死んでしまったんだろうか。


それとも、これは夢?


四方から声や音のようなものが聞こえる。


その声や音の種類は、方向によって異なる。


僕を呼んでる(ような)声だったり、僕を拒絶してる(ような)声だったり、あるいは、何かぼやけたような、脳で理解することが不可能な音の羅列。


僕は、どの方向を歩けばいいのだろう?


僕は、僕を拒絶してる(ような)声の方向に歩いた。僕を呼んでる(ような)声の方向には、なんとなく歩かないようにした。

そして、理解不能な音の羅列が響く方向にも歩かないようにしていた。


それがなぜなのかはわからないけど、何があってもそっちには(絶対に)行かないほうが良いような気がした。



声のほうに歩いていくが、やがて声は小さくなっていくようだった。小さくなるというよりも、遠ざかるような感覚。


僕を拒絶するような声。


その声は、言葉ではない。言葉ではないのに、なぜ拒絶とわかるのか。そんなのはわからない。これは夢の中の話だから。


だが僕は、僕を拒絶するような声を。僕から逃げ続けるように遠ざかっていく声の方向に、延々と歩いていく。


やがて、暗闇の中に一筋の光が見えてくる。僕は光の方向に歩いていく。いつのまにか″声″は消えていたが、きっとこの光の先を行くと、″夢″から醒めるのだろう。


……夢から、醒めるべきなのだろうか。


現実とは、辛い世界だ。現実を受け入れるのは、痛みを伴うことだ。それは、終わらない痛み。


…でも、希望がないわけではない。会いたい人もいる。僕は独りではない。


…それが大切なことなのか?そうではないはずだ。僕にはやるべきことがある。「抜け落ちた」記憶を探さなければならないはずだ。


…この夢の中に、その手がかりがあるんじゃないのか?


ではなぜ僕は、僕を「呼ぶ声」や「音」から離れようとしているのか。


僕は…逃げているのか?


光の方向に進んでいることが、僕の本心を裏付けている?


…そんなことはない。


…ないはずだ。








「———— レンバルト校長!」

「どうした?ラスカー。」

「メアリーさんから報告が。…ルークが目覚めたと…」


「…そうか」






ルークが長い眠りから目覚めた時、目の前にはマーカスとメアリーがいた。


「…マーカス、おじさん……?…メアリー…さん…?」


「ルーク…よかった……心配したんだから!」

メアリーは、目覚めたルークにお構いなしに、彼を力強く抱きしめる。


「……く、苦しいよメアリーさん…!」


「ご、ごめんなさい!」



「…ルーク。久しぶりだな…」


柔らかな表情でルークに話しかけるマーカス。


「マーカスおじさん…」


マーカスはメアリーとは違い、ルークの体を労るように、優しく彼を抱擁する。


ルークは、その温もりに、なんとも言えない安心感を覚える。ルークは、彼が魔法学校で寮生活をするより前、マーカスとメアリーのもとで暮らしていた。いわば家族同然の存在。

帰省できない間は、彼らと手紙のやり取りはしていたが。


「メアリー。

レンバルト校長達を呼んできなさい。」


「はい、先生!」


メアリーは、ルークが意識を取り戻したことを知らせに、校長達のところへ向かった。



「…ルーク、一体何があったんだ?校長から、君が倒れたという知らせを受けて急遽、私とメアリーは村を離れて学校まで来たんだ。」


「……わからないんです」


「…そうか……」


ルークの言葉は、おそらく真実なのだろう。



(わからない)


それが全てだ。レンバルト校長が口をつむぐようならば、ルークもまた真実を知らない。ならば、追及しても仕方がない。


…だがマーカスにとってそれは、納得はできなかった。ルークの身に起きたことについて、校長は真実を話さないどころか、ルーク自身もよくわかっていないと。


それがとてももどかしい。

ルークの身に起きたことについて、「知らされない」もどかしさ。…たとえ血のつながりがないとは言え、マーカスにとってルークは大切な家族そのものだ。


…なのに、「何もわからない」。


(…………)


とはいえ、マーカス自身もルークに語っていないことはある。(ある人物)からルークを引き取って育てていたマーカスにとっては、その(ある人物)の存在こそが、ルークに対しての隠し事だったからだ。


秘密を抱えて生きる。そして、秘密を抱えている人間に、他者の秘密に介入する権利があるわけでもない。


だから、マーカスはルークに、これ以上何も尋ねない。今できることといえば、彼に「安心できる環境」を与えることだ。

そのために、今ルークのストレスや不安になり得る要素は、極力取り除くべきだ。

それはマーカスの、医者として。

そしてルークの″家族″としての思い。



「ルーク・パーシヴァルよ、目が覚めたか。」


だがレンバルト校長は、マーカスのそのような配慮を、ないがしろにする。


レンバルト校長とラスカー先生が部屋に入ってきた。校長はルークに対して、問い詰めたいことが山ほどあるようだった。


「…ジョンストンさん。今から私がルークと話す内容について、部外者のあなたがたに聞かれるわけにはいかないので…申し訳ないのですが、席を外してもらえませんかな?…メアリー・ヒルさんも」


「…部外者って言い方は、ちょっとどうかと思います。私たちはルークと長い間いっしょに暮らしてました。それに…」


校長に食い下がろうとするメアリーを、マーカスは制止する。

だが部外者、という言い方に、マーカスも良い気分はしなかった。


「…もしルークに聞きたいことがあるというのなら、少し時間を空けたほうがいいと思うのですが…この子は飲まず食わずで、長い昏迷状態からようやく目覚めたのです。心身にも相当な負担があるはず…」


マーカスは校長を説得するが、校長は受け入れない。


「…医者としてのあなたの考えもわかりますが、そんな悠長なこともしてられないのです。ルークには今すぐに確認しなければならないことがある。」


「しかし…」


「わかりました。

マーカスおじさん、僕は校長と話します」


ルーク自身は、校長の言葉を承諾した。


「…そうか」


ルークの了承に、マーカスは折れる。

校長が話したい内容とは、十中八九あの「黒い魔法」についてのことだろう。ルークには確かに、思い出したくないことではある…


ルークにとってマーカスの配慮は嬉しかったが、どの道校長が食い下がることもないだろう。


「なら、私たちも同席させてください」

メアリーが割って入る。


「メアリー・ヒルさん。ですから、あなたがたに知られるわけにはいかない内容なのです。今から私がルークと話す内容について、あなたがたが外部に漏らさないという保証はありませんのでね。さあどうか、退室してください。」


メアリーは、あからまに不服そうな顔をしながらも、校長に従う。


「ルーク。言いたくないことは、何も答えなくていいからね。」

メアリーはそうルークに伝え、部屋から出て行く。まるで過保護な姉のようだ。


「うん…大丈夫です。メアリーさん」

マーカスとメアリーは退室する。


「ルーク…」


ラスカーは、ルークの意識が戻ったことに、声を震わせる。


「ラスカー先生…僕、生きてるんですね。先生の顔が見れて、なんだか安心します。」


「それは、私もよ。

…でも、信じてたから。あなたは目覚めるって。」


ラスカーはルークの頬に手を触れる。ルークもまた、その手に触れ握りしめる。それはまるで、長年会えなかった男女が再会したかのように。


僅かの間を置き、レンバルト校長は、卒業式で起きたことについてルークに問いただした。


「ルーク…お前が出したあの黒き魔法の力、あれをどこで覚えたのだ?」


「…黒き魔法…

…そうか。記憶がおぼろげですが、僕は、そんな魔法を出していたのですね…」


曖昧なルークの回答に、校長は訝しむように眉をひそめる。


「…覚えていないのか?」


「…はっきりとは。でも、僕の体の周りが黒い炎に包まれて、急に視界が暗転して…

そして得体の知れない声が聞こえてきた。


とても恐ろしかった…


そこまでは辛うじて頭に残っているんです。

…でも、その後どうなったのか……僕はあの後、気を失ったのですか?」


「そうだ」


正確には、ラスカーが気絶させたのだが。


「…ではルーク、あの力の正体について、お前自身は何も知らないのか?」


「知りません…」


「………」


ひどくあっさりと返ってきた返答に、校長は納得できない様子だが、ルークが嘘をついているようにも思えない。実際問題、あの黒き魔法をルークは制御できていないようであった。


「…自分があのような魔法の力を持っている理由が、わからないとでも言うのか?」


「はい。…わかりません」


(なら、原因は何だった?ルークの正体が何であれ、あの魔法を発動させるに至った理由…その″トリガー″は何だったのか…)


校長はルークに、追及の質疑を緩めない。


「ルーク。お前があの魔法を発動させた時、あれは卒業式の最後。私が魔道士の紋章をお前に授ける時だった。…その時のことを思い出せないか?…その時、お前に何があった?」


「それは………」


校長に迫られ、その時の思考を思い出そうとする。校長に紋章を授かろうとしていた時のことを。だが…


「それは…できません。思い出したくありません…」


ルークの胸が、またじわじわと膿を作り出すように、苦しくなっていく。ルークの心が、思い出すことを拒絶していた。


「…だがなルーク。これは大切なことだ。あの黒き魔法が発動した″条件″。それが何なのか追及しないことには、また同じことを繰り返すぞ。」


校長の言うことは最もかもしれない。でも、ルークには出来なかった。それがなぜなのか、はっきり言語化することはできないが、レンバルト校長のしていることは、ルークの「トラウマ」を彼自身にもう一度思い出せと言っているに等しい。


「…校長。もう思い出したくありません。」


「駄目だ。大勢の生徒や教員たち関係者が、君の黒き魔法で負傷した。辛いかもしれんが、必要なことだ。


わからんのか?


″問題″を先送りにしていいことなど、何もない。」


校長の口調は、段々と攻撃性を増してくる。


そこに、一切の容赦はない。この時点において、もはやルークの「逃げ場」などなかった。


「魔法使いに必要なことは、″力″を理解してそれを″制御″することだ。これは君自身のためでもある。もし同じような事態が、公衆の面前で起きたらどうなる?君の黒き魔法の力が、民間人を襲ったらどうなると思う?」


「わかってます……でも……!」


絞り出すように声を出すルークは、とても辛そうだった。


「あの正体不明の恐ろしい魔法は…魔法抑止法のどこにも明記されていない。つまり禁断の魔法だ…!そんな魔法を、一魔法学校の生徒が、″わけもわからず″使っている。こんな馬鹿げた状況を、放置していいわけがないのだ…!」


「…嫌だ……」

激しい胸の動悸と気持ち悪さを、ルークは感じていた。その目には涙が浮かんでいる。


「校長…もうこれ以上は…」

ルークの苦痛を察したラスカーが、校長に声をかける。だが校長はラスカーの声も聞かず、ルークへの″尋問″を止めない。


「お前があの魔法の力を理解し、自ら制御できるようになれない限り、ルーク。

お前を外の世界に出すわけにはいかんのだ!魔法使いが何か大きなことをしでかしてしまえば、魔法使いはこの国から永遠に排除されてしまうのだぞ!!」


「校長!」


激しく責め立てる校長を、ラスカーが諌めようとするが、校長は一切聞く耳を持たない。


「…ごめんなさい……!」


もはや怒りを露にしている校長の剣幕に、ルークは懇願ともいえる謝罪の言葉を発していた。ルークの頬には涙が伝う。

自分は責められている。大勢を傷つけたのだ。

自分の力に向き合う必要がある。

だが″心″は相変わらず、「思い出す」ことを拒否する。校長に責め立てられる苦しみと、トラウマを抑えこもうとする心の葛藤にルークは耐えながら…

しかし耐えきれずに、ただ彼は体を震わせながら涙を流すことしかできなかった。…もはや。


「そうだ…わかったぞ。あの″言葉″だ。私がお前に尋ねた時、お前は言えなかったのだ。」


トラウマの核心部。ルークは吐きそうになり、全身を震わせながら、体を丸め嗚咽を上げる。


「そうだ、それが力の″トリガー″になったのだ…!思い出せルーク。お前が言えなかった言葉…!それは″誓い———」


校長が言い終えるより早く、激しい音が響いた。


その弾けるような音は、ラスカーが校長の顔を思い切り平手打ちした音だった。校長は一瞬、何が起こったのか理解出来なかったが、左頬にじわじわと伝わる痛みで、ようやく正気を取り戻したかのように、状況を理解する。


「ラ、ラスカー…」


「いい加減にしてくださいレンバルト校長…!

ルークはもう思い出したくないのです。それを無理矢理、思い出させようとして…それがどれほどルークにとって辛く苦しいことなのか、見てわからないのですか?」


ラスカーの口調には、はっきりとした怒りが滲み出ていた。

彼女に激しく叱責されたレンバルト校長は、目の前で咽び泣きながら震えているルークを見て、我に帰ったように焦燥する。


「…す、すまん。私も興奮して正気を失っていたようだ…」



「…ルーク、立てる?」

ラスカーは、床にうずくまり震えているルークを、部屋の外に連れていく。


室外で待っていたマーカスとメアリーは、ラスカーに介抱され部屋から出てきたルークを見て驚愕する。


「…ルーク!?泣いてるのか?…ラスカー先生、一体何が…?」


マーカスがラスカーに尋ねるが、彼女は無言だ。マーカスは、部屋の中央に呆然と立ち尽くすレンバルト校長を見て、事情を察する。


「…メアリー、ルークを彼の部屋まで連れていってくれ。…私は、校長と話がある。」

「はい、先生…」


マーカスはメアリーに、ルークの介抱を頼んだ。


「ルーク、大丈夫だからね…」

メアリーは優しくルークを抱きとめ、彼を連れていく。


マーカスは、部屋の中で仁王立ちに立ち尽くすレンバルトの元に近づく。


「…校長…ルークに何をしたのです?」


マーカスはレンバルト校長に尋ねるが、それは確認、というよりも明らかに敵意がこもっていた。


「…たしかめようとしたんだ。ルークには、彼自身も知らない魔法の力がある。…その力の正体を知らずに生きていくことは、あらゆるリスクが伴う…」


「ですが校長、彼は泣いていました。」


「…そうだ。私のせいだ…」


「なぜそこまで…」


レンバルト校長がルークを尋問していた際、校長は明らかに冷静さを欠いていた。ラスカーは、レンバルトとは長い付き合いだが、あそこまであからさまに興奮状態に陥っていた校長を見ることは、これまでにほとんどなかった。


「…校長、黒き魔法の力に…身に覚えがあるのですか?…だから、あそこまでルークに詰め寄ったのですか?……レンバルト校長、あなたは…何かを恐れている?」


ラスカーは問いかけるが、校長からの返答はない。なおも無言で立ち尽くす校長に、マーカスが声をかける。


「…あなたにも、語りたくないことがあるなら、ルークにそれを強要すべきではないでしょう。レンバルト校長、ルークの面倒は、しばらく私とメアリーがみます。…やはりルークには今、余計な精神的負担をかけさせるべきではない。校長はしばらく、ルークには近づかないでいただきたい。

…では、失礼します。」


マーカスは口調こそ落ち着いていたが、校長へのあからさまな非難の言葉を投げた。


「ラスカー先生…″部外者″の私たちが、立ち入ってしまって申し訳ない。その″黒き魔法″とやらの話は、私には皆目見当がつきません。ですがどうか、しばらくは私たちに、ルークの面倒を見させてもらえないでしょうか…」


「ええ、もちろんです…」


人の心は、割れやすいガラス細工のようなもの。まして肉体的衰弱は、精神の衰弱にも直結する。だからこそルークには、まず身体的な健全を保つ必要がある。そのために、メアリーが役に立つ。


(ルークは栄養も足りていないはず…)


マーカスは考えながら、ルークの部屋へと向かう。



そして、相も変わらず立ち尽くすレンバルト校長。

ラスカーは校長に声をかけた。


「レンバルト校長…」


「ラスカー、少し1人にさせてくれ。…すまないが」


こちらに振り向くことなくそう言った校長の背中は、見えない重りがついているかの如く、微動だにしなかった。








「さあルーク。久しぶりに目覚めて、あまり喉を通らないかもしれないけど…消化に良いものを作ったから。どうぞ…」


ルークは寮にある自分の部屋で、マーカスとメアリーから介抱を受けていた。


「ミネアの薬草を卵と混ぜて、作ったお粥よ…とても体にいいの。冷めないうちに…」


メアリー・ヒルは、あらゆる薬草の知識に長けていた。…料理の腕も。


「…ありがとう、メアリーさん」


ルークは、レンバルト校長から解放された後、言いようのない安堵感を覚えていた。マーカスおじさんとメアリーさんは、ルークを叱りつけるようなことはしない。彼に対して甘いといえばそうなのかもしれないが、それでも…ずたずたに心が傷ついた今のルークにとっては、その包み込むような優しさが嬉しかった。


「…ごめんなさい、いろいろ迷惑をかけてしまって」


ルークの言葉に、マーカスは彼の頭を撫でながら、優しく言葉をかける。


「…謝ることなんてないんだ、ルーク。私たちは、家族じゃないか… さあ、食べなさいルーク。メアリーの作った食事を食べるのも、久しぶりだろう?」


ルークは、まだ右手が思うように動かせず、おぼつかない手でスプーンを握り、お粥をすくう。


「…ルークが魔法学校に行く前、私たち3人で毎日、食事をとっていたな。…なんだか懐かしいかんじだ」


ルークはおもむろな動作で、スプーンですくったお粥を口に入れる。口の中に広がる、暖かくて優しい味。それは、3年ぶりに味わう—魔法学校に行く前は、毎日味わっていた、メアリーさんの作った食事。


不意に——


不意に、ルークの目から涙がこぼれていた。


その涙は、哀しみの涙ではない。


(美味しい……暖かい……)


しかし哀しみ意外で涙を流したのは、ルークにとってもまた、初めての経験だった。


ジョージ・ハースの一件以来、度重なる心労から、ルークはまともに食事をとれていなかった。しかし今このとき、ルークは感じていた。

大切な「誰か」と食事をとる。それこそが大事なことなのだということを。









————



「どうもゲーデリッツ長官。お久しぶりですねぇ。ちょっと顔の皺増えたんじゃありません?」


「…来たか。王女からの指令はわかっているな?ルーク・パーシヴァルを首都に移送するのだ。一刻も早くな。」


「なーんでそんなに急ぐ必要があるんです?たかが移送任務でしょう?私もそーんなに暇じゃないんだけどなぁ」


「キーラ・ハーヴィー副騎士団長。

これは極めて重要度の高い任務。

だから君らが寄越された。この仕事に失敗は許されんのだよ。


ルークは特別でな…


大神院に気付かれる前に、彼を王女のもとに届けねばならん。」


「ふーん…」


ゲーデリッツ長官と話す、若い女性。手足に軽装の鎧を当て、剣を携えたその姿は、紛れもなく「騎士団」のメンバーだとわかる出立ち。

騎士団とは、エストリア王室に仕え、王室からの「特殊任務」を遂行する。その任務は、要人警護や暗殺、治安維持など多岐にわたるが、王室直属の組織であるため、多大な権限と特権を有している。


「もたもたしてられないなら、とっとと始めましょう。


どこにいるの?そのルーク・パーシヴァルとやら」













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