第3話【ナカマ ヨ ツドエ !】

 朝食のパン(−1G)を咥えて、大きな松の扉に手をかけた。その先には希望が待っている。


 【王都:冒険者ギルド『サカバ』】


 俺はある摂理に気がついたのだ。そう、何も一人で戦うことなくね?ユウシャなんて大人数でボコってなんぼのもんじゃね?という多勢に無勢の法則にな!!つーわけでナカマを探しに来た。


 「ナカマ ヨ ツドエ !」


 何人か来た。いや、ここまでの流れ的に来ないほうが正解だろうか?


 一人目【旅の僧侶】

 「儂は全属性の魔法を極めておる。じゃが、体力はないので100歩進むとバテるぞ」


 二人目【武術家】

 「あたしはどんな装甲も貫通する最強の拳を持ってるし、相手に対しての礼儀もある。勝ったときには相手が液体になるまで殴り続ける、それがあたしの感謝の証さ」


 三人目【町娘】

 「か、回復魔法ができます!けど、かわいそうなのもこわいのもいやなので、モンスターも回復しちゃう、です」


 うん、三者三様みごとに正解だ。仲間にはしたくない。芸人か何かになってくれ。


 四人目【魔法剣士】

 「僕はただ、斬れればいい」


 五人目【パン屋】

 「お前さぁ、床割ったろ」


 なんで店長がここに!?店どうしたよ!!てかバレてる!!?


 ・・・・・・さて、それは後で指詰めるとして、今はナカマを決めよう。どいつもこいつも個性的だから選び辛くはあるけれど……

 だけど、この中から選ぶとしたらーーー3番の【町娘】きみに決めた!ヒーラー重要!!


 「町娘さんで」


 「えっ、わ、私ですか?」


 そうです、あなたが当選。おめでとうございます。


 「えへへ、嬉しいな〜。ではーーー」


 数字が書かれた紙が置かれた。

 契約書、と書いてある気がしなくもない。


 「日当16Gで週3回の休日、でよろしいでしょうか?」


 ……まあ、たいへん良くできた娘ですこと。

 所持金、0G。


 「・・・・・・」


【ヒノキノボウ】と一緒にもらえる10Gが限りなく足りないのだが、どうすればいい?

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