5. 離れがたき


針葉樹に乗っている雪が風に吹かれて

チラチラと舞う明けたばかりの薄い水色の空に

朝焼けの名残に染まった雲が浮かぶ


真っ直ぐな幹のあいだからこぼれた光が

道路の脇に寄せられた雪山にしま模様を作った

ぼんやりした光を内包した陰は青白い


思い出す寒さ

凍れる空気

透明な朝


心に焼き付いた冬の


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