第9話帝国に潜入することが決まりました(当の本人はワクワクしている)

シンは、みんなに迎えられ、セーレを思いっきり撫でた(決してロリコンではない)後、サハルからの呼び出しがあったのでサハルが居る書斎に歩いていく。


長い廊下を歩いた先の大きい扉を開ける。

その先にはサハルがいた。


サハルはこちらに気づいたのか口を開く。


「来たか」


「はい。今回はどういったご用件でしょうか?」


「ああ、単刀直入に言う。シンには隣国のデカラピア帝国に潜入してもらう。これは陛下、宰相、丞相の決定だ。陛下達によるとこれは神様からのご信託だそうだ。もちろん俺も反対した。が、ついにこれは覆らなかった。本当にすまん。許してくれ」


サハルは机に頭をぶつけるぐらい頭を下げる。握りしめた手からは血が伝っている。

余程悔しかったのだろう。それもそうだ。

5歳と幼い息子がここに攻め込んでくるような国に潜入するのだ。


「いえ、不安ですが絶対に死ぬとかいう訳ではありません。なので父上が悔やむ必要はありません。頭をお上げください。絶対に無事に戻ってきます。それに神様のご信託なのでしょう?なにかご意図があるのでしょう」


口ではこう言っているがシンは内心ワクワクしていた。


帝国かーワクワクするなー!

しかも潜入!日本にいた時スパイ映画をよく見ていて憧れていたしな!


「そう言われると俺も救われる。頑張れよ。出発は10日後だ」


10日後かー。今すぐでも行きたかった。

もしものことがないように鍛錬は欠かさずにしよう。


その後


「シン君〜!本当に行ってしまうの〜?」


「はい。でも心配しないでください。絶対に戻ってきます」


「本当に本当?」


「はい。本当に本当です」


母上──ジョリーナ・フォン・アークカイザーが小指を突き出す。


「約束よ?」


指切りげんまんをし、ジョリーナと別れる

シンは自分の部屋に戻ろうとした。


が、そこに妹のセーレが猛ダッシュしてきた。そのまま5m(この世界では5Rという)くらいからジャンプしたセーレはシンに抱きつく。


シンは軽く体に衝撃を受けた。

セーレをなんとか受け止めたシンはセーレに問いかける。


「どうしたの?セーレ。そんなに目を赤くして」


「どうしたの?じゃないです!10日後に帝国にせんにゅうするって聞いたから飛んできたんだよ!」


「そうなの?でも心配しなくていいよ。神様のご神託らしいし、絶対に悪いことにはならないと思う。無事に戻ってくるから」


シンはセーレの頭をわしゃわしゃする。

(決してロリコンではない※大事な事なので2度言いました)


その後はシルビアーヌやセバス、その他従者に同じようなことを言われ、同じようにあしらった。


「あーワクワクするなー!」


そんな期待を胸にシンは鍛錬するのであった

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