1-7 到着、第137支道区
手がかりとなる情報を入手し、グレートリフトに再び乗ったPCたち。相談の結果、虱潰しは後回しにして目的の第137支道区へ向かう。
GM:がたがたと揺れながら、グレートリフトが停止する。扉が開き、荷下ろしが始まる。が、そこから降りる人影はない。――キミたちを除いては。
キッカ:「住民でも、縦の移動は少ないんですね」
ソルベ:「ま、完結できるように作ってあるからね~」
GM/セレン:「仮に一階層二階層程度であれば、階段もあるからね。わざわざリフトに乗ることもないんじゃないかな」
ゴッドフリード:「あぁ。大抵の住人は一つの支道区で産まれ、育ち……働きに出る事とかはあるが、大抵そこで出逢って結婚し……そして死ぬ。そういうもんだ。産まれてから死ぬまで太陽を見る事無く生きる奴だって、下層区にはチラホラ居るだろうさ」
キッカ:「他に世界があることも知らず、ただひとつの景色を見ながら生まれ、死ぬ……」
ゴッドフリード:「多分、それは悲しい事なんだろうけどな。それを悲しいと気付くのにだって切欠は要るし、その切欠を逃し続ける人間だって居るんだろうさ」
ロラン:「…………僕も昔は、氷と空以外ないつまんない生活だったからねぇ。だから今はふらふらしてるんだけど」
ミヒャエル:「だが、他の世界があることを知らないのも1つの幸せかもしれない。自分より良い暮らしをしている者を妬まずに済むのだ。それが正しいことかどうかは知らないがね」
GM/セレン:「……そうだね、狭い世界で暮らしていたほうが幸せな人もいる。その中で私達は広い世界を望んだ。そして、それが幸せだと感じた。それだけの話だよ」
ミヒャエル:「うむ。例えば吾輩は都会生まれだが、世界中が生活の領域のようなものだった。しかし、それを苦と思ったことはないよ。ワッハッハ!」
GM/セレン:「うん。幸せにもいろいろある。そういうことだろうね」
ミヒャエル:「しかし寝た子を起こすな、という言葉には異を唱えたいがね。寝た子は知らない内に起きてイタズラをするものさ。君もそうだったろう、キッカくん」
キッカ:「……」
キッカ:(記憶の欠落を取り戻して、自分の居る世界の本当の見方を知る。それは自分にとって幸せなことなのでしょうか? ――それを事前に判断する術は、無いというのに)
ソルベ:「こむっつかしいこと考えるねぇ、お酒を”呑んでられる”かどうかが全てでいいんだよ、そんなこと。じゃないと、研究棟の偏屈なジジイになっちゃうぜい?」
ミヒャエル:「ワッハッハ、吾輩見ての通りの偏屈なジジイであるが故な!」
ソルベ:見ての通りは可愛いウサギちゃんだけどね。
ロラン:「……納得することは大事だよ、兎にも角にもね」
ゴッドフリード:「ま、少なくとも俺は……前に進まないで足踏みするのは嫌いだがね。たとえ、其処が心地よかろうと」
GM/セレン:「自分が納得できる道を進む。うん、君はそういう人なんだろうね」最初にカーリーヴェリで声をかけた時を思い出している。
ロラン:「そうそう。自分のすることに納得出来ないといつまでもふらふらしてるダメ人間になっちゃうからね!」
GM:それキミのことじゃない?
ロラン:さて、どうかなぁ。
ミヒャエル:「ワッハッハ! 実感の籠もった意見、非常にありがたいよロランくん。……さて、哲学と倫理の講義はまたにするとしよう。今は人捜しの時間だ。聞き込みをするとするかね」
グレートリフト昇降所を過ぎると目の前に、「137」と刻印されたプレートが提がった門がある。その奥に覗く支道区には魔動機灯の明かりがあり、人の営みが感じられるようだ。ふと見れば、"大主坑"――グレートリフトの通る大穴に沿って、螺旋階段やスロープが設置されている。これを上下することで、他の階層に行くことを可能としているらしい。
GM:キミたちがグレートリフトを下りて少し進むと、中年の人間男性が荷下ろしをしているのが見える。どうやら、ここの住民で間違いなさそうだ。キミたちの姿を目にすると、男性の方から話しかけてくるね。
GM/???:「やぁ、珍しいね。こんなところに冒険者かい?」
ゴッドフリード:「おぅ。ちょっと探し人が居てな。あんたは?」
GM/???:「僕はガロック・ロア。この第137支道区で万屋をやってる。このリフトからあれこれ仕入れて、この辺りの皆に売ってるのさ。店が大きくなりすぎて、最近じゃ卸売りも同然だけどね」ふぅ、と持ってた荷物を地面に降ろしながら。
キッカ:「やっぱり降りる人が少ない割には、人は住んでいるんですね……」
ミヒャエル:「ここで降りる者が少ないというだけだろうからね」
GM/ガロック:「まあ、それなりにはね。上ほど大きい街じゃないけどさ」
ミヒャエル:「話を戻すが、ドワーフの男女を見かけなかったかね?こういった特徴なのだが」かくかくしかじか。
GM/ガロック:「ふぅん。ドワーフの男女か。それなら見たぞ、ドワーフの二人連れ。ここで人見知り以外の人が降りるのを見れば嫌でも覚えるからね」
ロラン:「まあ、そうだろうねぇ」
GM/ガロック:「うちの支道区に来るのかな、それなら口八丁で何か買っていってもらおうか……と思ってたら、すぐに上に向かったよ。階段でね」壁の螺旋状の階段を指さす。すぐそこから登れるみたいだ。
ゴッドフリード:「上?」
GM/ガロック:「あぁ。一つ上は無人でね。魔動機灯すらついてない。そこを通ってまで上に行こうっていうなら、一つ上で降りて下り階段を使った方がよっぽど安全ってやつだ。そこでああだからさ。本当に変な連中だよ」
ミヒャエル:「ふむ、では我々は2組目の変な連中になってしまうかな、ワッハッハ」
GM/ガロック:「それなら気をつけたほうがいい。なにせ、人の目が届かないようなところだ。ヤバいのが潜んでるなんて話もある。めったにここの連中だって上がっていかないよ。で、その言い分じゃあんたたちも上に行くのかい?」
ゴッドフリード:「……なるほどなぁ。その話を聞く限りじゃそうなりそうだ」
ソルベ:「聞いておきたいんだけど、どっちが先行してた?」手を挙げる。
GM/ガロック:「先行? あぁ、女性の方が先を行ってた。妙に荷物があったけど、まさか区興しでもするわけじゃあるまいに。あそこは水道が死んでるってのは有名だからさ」
ソルベ:「ふ~ん、結構気合入れて来たみたいだね」
GM/ガロック:「ま、だからって追っかけたりはしなかったよ。僕だってそんな変なのとはかかわりあいになろうとは思わないさ。ところで、何か買ってくかい?」
ゴッドフリード:「となりゃ、まだ目はあるか……ありがとな。今はちょっと懐が寂しいんでアレだが、また今度買い物に来るぜ」
ミヒャエル:「うむ。情報感謝するよガロックくん。いずれ買い物をさせてもらおう」
キッカ:「買い物……」 あれもこれも足りない、買うためのお金もない。
GM:マギシューなのに銃も弾もマギスフィアもなかったね、そういえば。
ガロック:「それは結構。ま、土産ったって上と同じ定価になるけどね」
ソルベ:「下層のお酒かぁ」
キッカ:「お酒のことばっかりですね……」
ソルベ:「人生の楽しみってやつだよ。誰しも一つは持ってないとね?」
GM/ガロック:「ははっ、寄った時には見てってくれよ。いいのが揃ってるんだ」
ミヒャエル:む、待った。真偽判定を一応振っても構わないかね?
GM:振っても構わないよ。他に振りたい人は?
ゴッドフリード:俺はいいや。疑いたくはない。
ミヒャエル:では失礼して。(ころころ)16。
ソルベ:あ、じゃあ私も……9。出目が奮わないな~。
GM:それだと……うん、特に嘘はついてないね。その二人について、君たちに知ってる情報は教えてくれてるみたいだ。まだ何か聞きたいって言うなら、この辺りのシマの自慢くらいなら聞けるかもしれないけどね。
ミヒャエル:ならば良し。向かうとするか。
GM:まあ、上に向かうなら階段になるよ。一応また昇りのリフトを待って第133支道区までリフトで行ってから降りてきてもいいけどね。
ゴッドフリード:めんどくさいなぁ! まぁ、階段でいいよな?
ロラン:そうだねぇ。僕はいいと思う。
ミヒャエル:うむ。タビットの足に階段は辛いから抱えてもらいたいところだ。
ゴッドフリード:しょうがねぇなぁ。ホース出して後ろに乗っけます。
ミヒャエル : ハハハ。毛並みを堪能したまえよお、馬くん。
GM:OK。さて。じゃあ、上へ向かおうか。警戒は怠らないようにね。
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